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式と証明|3次式の展開について

数学2 式と証明数学II

今回から数学2「式と証明」について学習します。この章では主に3次以上の式を扱います。

ここでは導入として、数学1でも扱った「3次式の展開」を学習します。公式がいくつか出てくるので、できるだけ早く使いこなせるように演習しておきましょう。

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3次式について

3次式とは、項の中で最も高い次数が3となる式のことです。たとえば、以下のような式が3次式と言います。

3次式の例
\begin{align*}
&\quad 2x^{\scriptsize{3}} \\[ 5pt ]
&\quad -xy^{\scriptsize{2}} + y^{\scriptsize{2}} – 1 \\[ 5pt ]
&\quad (x + y)^{\scriptsize{3}}
\end{align*}

例に挙げた3行目の式について、カッコの中の式は1次式なので、3次式には見えません。しかし、展開してみると最高次数が3となります。ですから3次式として扱います。ここでは、このような3次式の展開について学習します。

3次式の展開

3次式の展開では、数学1で学習した指数法則や乗法公式を利用します。すでに学習した乗法公式を上手に利用すれば、3乗以上であっても展開することができます。ですから、2次式の乗法公式は必修です。

実際に3次式を展開してみましょう。

3次式の展開
\begin{align*}
(a + b)^{\scriptsize{3}} &= (a+b)(a+b)^{\scriptsize{2}}& &\text{(指数法則を利用)} \\[ 5pt ]
&= (a+b)(a^{\scriptsize{2}} +2ab +b^{\scriptsize{2}} \ )& &\text{(乗法公式を利用)} \\[ 5pt ]
&= a^{\scriptsize{3}} +2a^{\scriptsize{2}}b +ab^{\scriptsize{2}} + a^{\scriptsize{2}}b + 2ab^{\scriptsize{2}} +b^{\scriptsize{3}}& &\text{(分配法則を利用)} \\[ 5pt ]
&= a^{\scriptsize{3}} +3a^{\scriptsize{2}}b +3ab^{\scriptsize{2}} + b^{\scriptsize{3}}& &\text{(同類項を整理)}
\end{align*}

このように乗法公式を利用すれば、3次式を展開することができます。ただ、毎回この展開を行うのは面倒です。ですから、3次式の展開の式として公式化されています。ここでは、これらの公式を3次式の乗法公式や展開公式と呼びます。

3次式の乗法公式その1
\begin{align*}
(a + b)^{\scriptsize{3}} &= a^{\scriptsize{3}} +3a^{\scriptsize{2}}b +3ab^{\scriptsize{2}} +b^{\scriptsize{3}} \quad \text{…①} \\[ 5pt ]
(a \ – b)^{\scriptsize{3}} &= a^{\scriptsize{3}} -3a^{\scriptsize{2}}b +3ab^{\scriptsize{2}} -b^{\scriptsize{3}} \quad \text{…②}
\end{align*}

①式は「和の立方」、②式は「差の立方」と言われることもあります。②式については、①式から導出することができます。

②式の導出
\begin{align*}
&\text{①式の $b$ を $-b$ に置き換えると、} \\[ 5pt ]
&\quad \{a + (- b)\}^{\scriptsize{3}} = a^{\scriptsize{3}} +3a^{\scriptsize{2}} \cdot (-b) +3a \cdot (-b)^{\scriptsize{2}} +(-b)^{\scriptsize{3}} \\[ 5pt ]
&\quad \therefore \ (a \ – b)^{\scriptsize{3}} = a^{\scriptsize{3}} -3a^{\scriptsize{2}}b +3ab^{\scriptsize{2}} -b^{\scriptsize{3}} \quad \text{…②}
\end{align*}

①式と②式は、項の数や係数が似ているので、共通点や相違点を意識して覚えると良いでしょう。横に並べるよりも上下に並べた方が覚えやすいです。

3次式の乗法公式その1

また、3次式の展開の公式として、以下の式もあります。

3次式の乗法公式その2
\begin{align*}
(a + b)(a^{\scriptsize{2}} -ab +b^{\scriptsize{2}} \ ) &= a^{\scriptsize{3}} +b^{\scriptsize{3}} \quad \text{…③} \\[ 5pt ]
(a \ – b)(a^{\scriptsize{2}} +ab +b^{\scriptsize{2}} \ ) &= a^{\scriptsize{3}} -b^{\scriptsize{3}} \quad \text{…④}
\end{align*}

③式は「立方の和」、④式は「立方の差」と言われることもあります。③式と④式も分配法則で展開すると導出できます。ただ、同類項の整理によって、ほとんどの項が消えてしまいます。実際に導出してみると分かります。

③式と④式の導出
\begin{align*}
(a + b)(a^{\scriptsize{2}} -ab +b^{\scriptsize{2}} \ ) &= a^{\scriptsize{3}} -a^{\scriptsize{2}}b +ab^{\scriptsize{2}} +a^{\scriptsize{2}}b -ab^{\scriptsize{2}} +b^{\scriptsize{3}} \\[ 5pt ]
&= a^{\scriptsize{3}} +b^{\scriptsize{3}} \quad \text{…③} \\[ 10pt ]
(a \ – b)(a^{\scriptsize{2}} +ab +b^{\scriptsize{2}} \ ) &= a^{\scriptsize{3}} +a^{\scriptsize{2}}b +ab^{\scriptsize{2}} -a^{\scriptsize{2}}b -ab^{\scriptsize{2}} -b^{\scriptsize{3}} \\[ 5pt ]
&= a^{\scriptsize{3}} -b^{\scriptsize{3}} \quad \text{…④}
\end{align*}

分配法則で展開すると、6つの項が出てきますが、そのうち4つの項は消えてしまいます。消えてしまうと分かっている項を毎回記述するのは効率的とは言えません。ですから、こちらも覚えておきましょう。符号に注目すると覚えやすいです。

3次式の乗法公式その2

公式を上手に使いこなすには、公式の成り立ちを理解し、実際に使ってみることが大切です。公式の成り立ちを理解する近道は、自分で導出してみることが一番です。ただの暗記で終わらせないようにしましょう。

3次式の乗法公式まとめ

公式の導出は必ず経験しておこう。また、公式を使いながら覚えよう。

次は、3次式の展開を扱った問題を実際に解いてみましょう。

3次式の展開を扱った問題を解いてみよう

次の問題を解いてみましょう。


\begin{align*}
&\text{次の式を展開せよ。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad (x-2)^{\scriptsize{3}} \\[ 5pt ]
&(2) \quad (a+3b)^{\scriptsize{3}} \\[ 5pt ]
&(3) \quad (x+1)(x^{\scriptsize{2}} -x +1)
\end{align*}

最初のうちは公式を見ながらで良いので、対応関係を考えながら公式を使ってみましょう。

問(1)の解答・解説

問(1)
\begin{equation*}
(1) \quad (x-2)^{\scriptsize{3}}
\end{equation*}

問(1)は、乗法公式の②式と同じ形です。文字や数字が変わっても、どの公式を使えば良いかを判断できるようになりましょう。

問(1)の解答例
\begin{align*}
&(a \ – b)^{\scriptsize{3}} = a^{\scriptsize{3}} -3a^{\scriptsize{2}}b +3ab^{\scriptsize{2}} -b^{\scriptsize{3}} \quad \text{…②} \\[ 5pt ]
(1) \quad &(x-2)^{\scriptsize{3}} \\[ 10pt ]
&\text{2つの式を比べると} \\[ 5pt ]
&\quad a=x \ , \ b=2 \\[ 5pt ]
&\text{の対応関係}
\end{align*}

公式を見ながら、置き換えていきます。置き換えた後は、各項をそれぞれ整理します。

問(1)の解答例つづき
\begin{align*}
(a \ – b)^{\scriptsize{3}} &= a^{\scriptsize{3}} -3a^{\scriptsize{2}}b +3ab^{\scriptsize{2}} -b^{\scriptsize{3}} \quad \text{…②} \\[ 5pt ]
(1) \quad (x-2)^{\scriptsize{3}} &= x^{\scriptsize{3}} -3x^{\scriptsize{2}} \cdot 2 +3x \cdot 2^{\scriptsize{2}} -2^{\scriptsize{3}} \\[ 5pt ]
&= x^{\scriptsize{3}} -6x^{\scriptsize{2}} +12x -8 \\[ 5pt ]
\therefore \ (x-2)^{\scriptsize{3}}& = x^{\scriptsize{3}} -6x^{\scriptsize{2}} +12x -8
\end{align*}

問(2)の解答・解説

問(2)
\begin{equation*}
(2) \quad (a+3b)^{\scriptsize{3}}
\end{equation*}

問(2)は、乗法公式の①式と同じ形です。文字や数字の対応関係を確認します。

問(2)の解答例
\begin{align*}
&(a + b)^{\scriptsize{3}} = a^{\scriptsize{3}} +3a^{\scriptsize{2}}b +3ab^{\scriptsize{2}} +b^{\scriptsize{3}} \quad \text{…①} \\[ 5pt ]
(2) \quad &(a+3b)^{\scriptsize{3}} \\[ 10pt ]
&\text{2つの式を比べると} \\[ 5pt ]
&\quad a=a \ , \ b=3b \\[ 5pt ]
&\text{の対応関係}
\end{align*}

公式を見ながら、置き換えていきます。置き換えた後は、各項をそれぞれ整理します。

問(2)の解答例つづき
\begin{align*}
(a + b)^{\scriptsize{3}} &= a^{\scriptsize{3}} +3a^{\scriptsize{2}}b +3ab^{\scriptsize{2}} +b^{\scriptsize{3}} \quad \text{…①} \\[ 5pt ]
(2) \quad (a+3b)^{\scriptsize{3}} &= a^{\scriptsize{3}} +3a^{\scriptsize{2}} \cdot 3b +3a \cdot (3b)^{\scriptsize{2}} +(3b)^{\scriptsize{3}} \\[ 5pt ]
&= a^{\scriptsize{3}} +9a^{\scriptsize{2}}b +27ab^{\scriptsize{2}} +27b^{\scriptsize{3}} \\[ 5pt ]
\therefore \ (a+3b)^{\scriptsize{3}} &= a^{\scriptsize{3}} +9a^{\scriptsize{2}}b +27ab^{\scriptsize{2}} +27b^{\scriptsize{3}}
\end{align*}

よく間違えるのが、係数が1以外の数になったときの展開です。係数を2乗したり、3乗したりするのを忘れやすいので気をつけましょう。

問(3)の解答・解説

問(3)
\begin{equation*}
(3) \quad (x+1)(x^{\scriptsize{2}} -x +1)
\end{equation*}

問(3)は、乗法公式の③式と同じ形です。③ , ④式が使えるかどうかの判断については、慣れるまで難しく感じるかもしれません。何となく似ていると感じたら、公式と照らし合わせてみると良いでしょう。

文字や数字の対応関係を確認します。

問(3)の解答例
\begin{align*}
&(a + b)(a^{\scriptsize{2}} -ab +b^{\scriptsize{2}} \ ) = a^{\scriptsize{3}} +b^{\scriptsize{3}} \quad \text{…③} \\[ 5pt ]
(3) \quad &(x+1)(x^{\scriptsize{2}} -x +1) = (x+1)(x^{\scriptsize{2}} -x \cdot 1 +1^{\scriptsize{2}} \ ) \\[ 10pt ]
&\text{2つの式を比べると} \\[ 5pt ]
&\quad a=x \ , \ b=1 \\[ 5pt ]
&\text{の対応関係}
\end{align*}

公式を見ながら、置き換えていきます。置き換えた後は、各項をそれぞれ整理します。

問(3)の解答例つづき
\begin{align*}
(a + b)(a^{\scriptsize{2}} -ab +b^{\scriptsize{2}} \ ) &= a^{\scriptsize{3}} +b^{\scriptsize{3}} \quad \text{…③} \\[ 5pt ]
(3) \quad (x+1)(x^{\scriptsize{2}} -x +1) &= x^{\scriptsize{3}} +1^{\scriptsize{3}} \\[ 5pt ]
&= x^{\scriptsize{3}} +1 \\[ 5pt ]
\therefore \ (x+1)(x^{\scriptsize{2}} -x +1) &= x^{\scriptsize{3}} +1
\end{align*}

簡単な式であれば暗算でできますが、学習したての頃であればあまりおすすめしません。この段階で最も意識しておきたいのは、解けることではなく、公式との対応関係を正しく見抜くことです。この段階が不十分になってしまうと、複雑な式になった途端に手が出せなくなったり、公式を利用できることに気づけなかったりします。

公式という型に嵌めて解くことが初学者にとってとても大切なことです。少々面倒だと感じるかもしれませんが演習を十分にこなして慣れてくれば、暗算して展開できるようになります。それまではたくさん演習をこなしましょう。

公式を使うときは、型に嵌めるイメージを持とう。このイメージを持てるようになれば、文字や数字は関係なく、型が大切だと分かってくる。
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さいごにもう一度まとめ

  • 3次式の展開は、乗法公式を利用しよう。
  • 3次式の乗法公式は符号の違いに注意して覚えよう。
  • 係数の累乗に気をつけよう。
  • まずは対応する箇所を置き換えて公式を使ってみよう。
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日々是鍛錬 ひびこれたんれん
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