運用力を鍛える英文法基礎【第4回】

01/31/2020英文法自動詞, 他動詞, 英文法, 不定詞, 前置詞句

大学別の個別試験のような記述形式の試験では、いくら知識があっても、その運用力がなければ上手くいきません。センター試験から共通テストに変わって、思考力・表現力・判断力を問われる問題がより一層増えることが考えられます。

これからの受験生にとって、運用力は大切な能力になるでしょう。応用力のある人は、知識を適切に運用できる運用力をもつ人のことです。たくさんの知識を蓄え、それを適切に運用できる応用力のある人になりましょう!

文法的に誤りのある英文を訂正してみよう

次の英文は、問題のない英文に見えます。しかし、文法的な誤りがあります。どこに文法的な誤りがあるのか分かるでしょうか。また、文法的に正しい英文に訂正できるでしょうか。

問4 日本語訳を参考に、次の英文の文法的な誤りを直しなさい。
I object to wait any more. (※文法的な誤りがあります)
「私はこれ以上待つのには反対です」

誤文訂正に必要な知識

少なくともこの問題を解くのに必要な知識は以下の通りです。

  • 不定詞句と前置詞句
  • 不定詞句と間違いやすい動名詞句

不定詞句と前置詞句

句について

とは、2個以上の語が続いて1個の品詞と同じような働きをし、それ自身の中には「主語+述語」を持たないものです。たとえば、名詞句は、名詞と同じように働きます。

また、不定詞や動名詞のように特徴的な表現になっている句に対しては、不定詞句や動名詞句と言うことがあります。たとえば、不定詞の名詞的用法でできた句であれば、不定詞句であり、名詞句でもあります。

注目しているものが、表現の形なのか、あるいは品詞なのかによって言い方が変わっているだけです。単に視点が異なっているだけなので注意しましょう。

「to」を用いた表現

「to」を用いた表現に不定詞句と前置詞句があります。

不定詞句は「to+動詞の原形~」の形を含む句です。「to」の後ろに動詞の原形が続きます。動詞の原形が続くので、「to」は、その意味(方向)は残っていても、前置詞としての機能を果たしていないと考えられます。

「to」の後ろの動詞は、主語の人称や数によって変化しないことを考えても、ちょっと特殊な表現だと感じます。不定詞においての「to」は、単なる目印だと捉えると良いかもしれません。

このような不定詞句は、名詞的用法であれば名詞句となります。ですから、名詞的用法の不定詞句であれば、他動詞(Vt)の目的語(O)になりえます

他動詞(Vt)+不定詞句(to-v)
ただし、vは動詞(verb)の頭文字

それに対して、前置詞「to」を用いた前置詞句では、その後ろに名詞やそれに相当する語句が続きます。前置詞としての働き通りです。

前置詞句は、形容詞または副詞と同じように働きます。ですから、前置詞句であれば、他動詞(Vt)の目的語(O)にはなりえません。つまり、後ろに前置詞句が続いていれば、自動詞(Vi)だと分かります。

自動詞(Vi)+前置詞句(to-n)
ただし、nは名詞(noun)の頭文字

なお、第1文型(SV)をとる完全自動詞の後ろに、前置詞句が続いていれば、その前置詞句は副詞的修飾句です。また、第2文型(SVC)をとる不完全自動詞の後ろに、前置詞句が続いていれば、その前置詞句は補語(C)となる形容詞句です。

以上のことから、自動詞(Vi)か他動詞(Vt)かによって、そのあとに続く語句が決まることが分かります。特に「to」を用いた不定詞句や前置詞句は、一見すると間違いに気付きにくいので注意しましょう。また、動詞を覚える際には、自動詞と他動詞の区別はもちろんですが、そのあとに続く語句も意識しましょう。

不定詞句と間違いやすい動名詞句

以下に挙げる例では、「to」が前置詞として用いられています。ですから、前置詞「to」の後ろに続くのは、名詞やそれに相当する語句です。動詞が続くのであれば、動名詞にしなければなりません。「to」の後ろに動詞があると、不定詞を意識してしまうので注意しましょう。

不定詞句と間違いやすい動名詞句の例文①
a) I look forward to seeing you agein.
「私は再会を楽しみにする」

I / look forward to / seeing you (agein).
「私は / 再会(またあなたに会うこと)を / 楽しみにする」

S+Vt+O:第3文型(SVO)
主語(S):I
述語動詞(Vt):look forward to
目的語(O):seeing you (agein)

look forward to」はこれで1つの他動詞(~するのを楽しみに待つ)として扱われます。他動詞(Vt)は目的語(O)をとるので、動名詞句にしなければなりません。

不定詞句と間違いやすい動名詞句の例文②
b) He is opposed to my seeing her.
「彼は彼女に会うのに反対する」

He / is opposed to / my seeing her.
「彼は / 彼女に会うのに(私が彼女に会うことに) / 反対する」

S+Vt+O:第3文型(SVO)
主語(S):He
述語動詞(Vt):is opposed to
目的語(O):my seeing her

他動詞「oppose」(~に反対する)と混同しないようにしましょう。「be opposed to」は「be動詞+形容詞[ 過去分詞 ]+前置詞」の形をしており、これで1つの他動詞(~に反対している)として扱われます。「~に反対している」という意味は、状態の意味合いが含まれているので、「~に反対する」とはニュアンスが違います。

また、動名詞句「my seeing her」において、「my」は動名詞「seeing」の動作主(意味上の主語)が、英文の主語(S)である「He」ではなく「私」であることを表します。不定詞の意味上の主語「for+人」も形は違いますが同じ考え方です。

不定詞句と間違いやすい動名詞句の例文③
c) He devotes himself to helping the poor.
「彼は貧民救済に専心する」

He / devotes himself to / helping the poor.
「彼は / 貧民救済(貧民を救済すること)に / 専心する」

S+Vt+O:第3文型(SVO)
主語(S):He
述語動詞(Vt):devotes himself to
目的語(O):helping the poor

devotes oneself to」はこれで1つの他動詞(~に専心する)として扱われます。

不定詞句と間違いやすい動名詞句の例文④
d) I am used to rising early.
「私は早起きに慣れている」

I / am used to / rising ( early ).
「私は / 早起き(早く起きること)に / 慣れている」

S+Vt+O:第3文型(SVO)
主語(S):I
述語動詞(Vt):am used to
目的語(O):rising ( early )

used to」はこれで1つの形容詞(~に慣れている)として扱われます。私見ですが「be used to」の形で他動詞扱いした方が扱いやすいかと思います。また、「~に慣れる」という意味の「get used to」もあり、これは他動詞として扱われます。

不定詞句と間違いやすい動名詞句の例文⑤
e) I brought books with a view to selling them.
「私はそれらを売る目的で持ってきた」

I / brought / books / ( with a view to selling them ).
「私は / それらを売る目的で / 本を / 持ってきた」

S+Vt+O+(M):第3文型(SVO)
主語(S):I
述語動詞(Vt):brought
目的語(O):books
副詞的修飾句(M):with a view to selling them

with a view to」はこれで1つの前置詞として扱われています。一般に「with a view to doing」の形で、「~する目的で、~するつもりで」という意味の副詞句をつくります。

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予備知識を確認したので、英文の文法的な誤りを訂正してみましょう。