運用力を鍛える英文法基礎【第6回】

02/04/2020英文法他動詞, 英文法, 目的語, 授与動詞

大学別の個別試験のような記述形式の試験では、いくら知識があっても、その運用力がなければ上手くいきません。センター試験から共通テストに変わって、思考力・表現力・判断力を問われる問題がより一層増えることが考えられます。

これからの受験生にとって、運用力は大切な能力になるでしょう。応用力のある人は、知識を適切に運用できる運用力をもつ人のことです。たくさんの知識を蓄え、それを適切に運用できる応用力のある人になりましょう!

文法的に誤りのある英文を訂正してみよう

次の英文は、問題のない英文に見えます。しかし、文法的な誤りがあります。どこに文法的な誤りがあるのか分かるでしょうか。また、文法的に正しい英文に訂正できるでしょうか。

問6 日本語訳を参考に、次の英文の文法的な誤りを直しなさい。
The teacher explained us the meaning of the word. (※文法的な誤りがあります)
「先生はその語の意味を私たちに説明した」

誤文訂正に必要な知識

少なくともこの問題を解くのに必要な知識は以下の通りです。

  • 二重目的語構文をとれない動詞
  • 二重目的語構文のみ可能な動詞

二重目的語構文をとれない動詞

2つの目的語のことを二重目的語と言い、その構造の英文を二重目的語構文と言います。第4文型(SVOO)は、目的語(O)を2つとるので二重目的語構文と言えます。

第4文型(SVOO)では、述語動詞(V)に続けて2つの目的語(一般に人と物)を順に並べれば良いので便利な文型です。しかし、「AにBを~する」という意味であれば、すべてが第4文型(SVOO)で言い表せるわけではありません。

「AにBを~する」という意味の文であっても、動詞によっては第4文型(SVOO)をとらないものがあります。第4文型(SVOO)から第3文型(SVO)への言い換えが可能ということではないので注意しましょう。

第5回でも紹介していますが、ここではもう少し詳しく紹介しておきます。主に3つの型に分類されます。

explain型

explain型の動詞では、「S+V+Od+to+Oi」の英文になります。一般に、物に相当する語を目的語にとります。

I explained a new plan to him.
「私は彼に新しい計画を説明した」

I / explained / a new plan / (to him).
「私は / (彼に) / 新しい計画を / 説明した」

S+Vt+O+(M):第3文型(SVO)
主語(S):I
述語動詞(Vt):explained
目的語(O):a new plan
副詞的修飾句(M):to him

第3文型(SVO)に副詞的修飾句(to+Oi)が続きます。他には「suggest, complain, propose, admit」などの動詞があります。

explain型の動詞
S+V+Od+to+Oi:第3文型(SVO)+(to+Oi)【+物 to 人】
explain, suggest, complain, propose, admitなど
参考:「与える」のニュアンスをもつ語に多い

inform型

inform型の動詞では、「S+V+Oi+of+Od」の英文になります。一般に、人に相当する語を目的語にとります。

I informed him of her arrival.
「私は彼女の到着を彼に知らせた」

I / informed / him / (of her arrival).
「私は / (彼女の到着を) / 彼に / 知らせた」

S+Vt+O+(M):第3文型(SVO)
主語(S):I
述語動詞(Vt):informed
目的語(O):him
副詞的修飾句(M):of her arrival

第3文型(SVO)に副詞的修飾句(of+Od)が続きます。explain型の動詞と異なるのは、第4文型の間接目的語(Oi)に相当する語を目的語にとることです。間接目的語(Oi)と直接目的語(Od)の間に前置詞「of」が入るイメージです。他には「persuade, remind, warn」などの動詞があります。

inform型の動詞
S+V+Oi+of+Od:第3文型(SVO)+(of+Od)【+人 of 物】
inform, persuade, remind, warnなど
参考:「知らせる」のニュアンスをもつ語に多い

provide型

provide型の動詞では、「S+V+Oi+with+Od」の英文になります。一般に、人に相当する語を目的語にとります。

Cows provide us with milk.(Cows provide milk for us.も可)
「牛は牛乳を私たちに供給する」

Cows / provide / us / (with milk).
「牛は / (牛乳を) / 私たちに / 供給する」

S+Vt+O+(M):第3文型(SVO)
主語(S):Cows
述語動詞(Vt):provide
目的語(O):us
副詞的修飾句(M):with milk

第3文型(SVO)に副詞的修飾句(with+Od)が続きます。inform型の動詞と同じように、第4文型の間接目的語(Oi)に相当する語を目的語にとります。間接目的語(Oi)と直接目的語(Od)の間に前置詞「with」が入るイメージです。他には「supply, furnish」などの動詞があります。

provide型の動詞
S+V+Oi+with+Od:第3文型(SVO)+(with+Od)【+人 with 物】
provide, supply, furnish, feedなど
参考:「供給する」のニュアンスをもつ語に多い

3つの分類は文法書によっては紹介されていないかもしれません。頻出のexplain型の動詞だけでも覚えておくと良いでしょう。

また、他の前置詞(たとえばon)を用いたものもあります。

We shouldn’t impose our own values on our children.
「私たちは自分たちの価値観を子供たちに押しつけるべきではない」

第4文型(SVOO)をとりそうでとらない動詞は、間違いやすいので頻出です。また、3つに分類しましたが、意味によっては型通りではない場合があります。意味によって用法が変わるのはここだけの話ではありませんが、誤用を防ぐために辞書でこまめに確認しておきましょう。

二重目的語構文のみ可能な動詞

次の動詞を第4文型(SVOO)で用いる場合、toやforを使って間接目的語(Oi)と直接目的語(Od)の位置を入れ替えることができません。第3文型(SVO)への言い換えができない動詞です。

二重目的語構文のみ可能な動詞
answer(答える) ask(尋ねる) cost((費用・犠牲を)要する)
envy(うらやむ) save((金・労力などを)省く) spare((金・労力などを)省く)
take((時間などを)要する) wish(願う)

二重目的語構文のみ可能な動詞を用いた例文です。

a) One mistake can cost a person his life.
「1つのミスで命を失うこともある」(直訳:1つのミスは、人に命を払わせる)

b) This computer saved us a lot of work.
「PCで手間がだいぶ省ける」(直訳:PCは私たちの多くの労力を省く)

a)の例文において、「cost A B」は「AにB(代償・代金)を払わせる」の意味です。b)の例文において、「save A B」は「AのB(労力など)を省く」の意味です。

直訳すると日本語として少し変な感じがします。主語が人ではない無生物だとこのようなことが起こります。無生物主語の英文では、主語を副詞的に訳すとおかしくない日本語訳になります。

注意事項の1つ目として、「spare」は、「省く」の意味では言い換え不可ですが、「(時間など)を割く」の意味では「spare B for A」に言い換え可能です。

また、注意事項の2つ目として、直接目的語(Od)が動名詞を用いた名詞句の場合、次の例文のようにfromを用います。

c) His visit saved me from writting a letter.
「彼の訪問で手紙を書く手間が省けた」

× His visit saved me writting a letter.

このように前置詞「from」が用いられるのは、おそらく「me」が動名詞「writting」の意味上の主語だと勘違いされないための措置だと考えられます。動名詞の意味上の主語には、一般に所有格が用いられますが、くだけた言い方では目的格の場合もあります。

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予備知識を確認したので、英文の文法的な誤りを訂正してみましょう。