図形の性質|円周角について

数学A

数学A 図形の性質

円周角の定理やその逆を扱った問題を解いてみよう

次の問題を考えてみましょう。

円周角の定理やその逆を扱った問題

問(1)の解答・解説

問(1)

図における角 $x \ (= \angle ACB)$

円周角の定理やその逆を扱った問題
問(1)の図

中心角∠AOBと円周角∠ACBはともに同一の弧ABに対してできた角です。円周角の定理が成り立つことを利用して角xを求めます。

問(1)の解答例

$\angle AOB$ は弧 $AB$ に対する中心角、$\angle ACB$ は弧 $AB$ に対する円周角である。

円周角の定理より

\begin{align*} \quad x &= \frac{1}{2} \angle AOB \\[ 7pt ] &= \frac{1}{2} \cdot 40^{\circ} \end{align*}
円周角の定理やその逆を扱った問題
問(1)の図

問(1)は中学レベルの問題なので、確実に解けるようにしておきましょう。

円周角の定理を扱った問題問(1)の解答例
問(1)のポイントと解答例

円周角と中心角の関係を考えるとき、弧の確認を徹底しよう。

問(2)の解答・解説

問(2)

図における角 $y \ (= \angle CAD)$

円周角の定理やその逆を扱った問題
問(2)の図

∠BACと∠BDCに注目します。

2点A,Dは直線BCの同じ側にあり∠BAC=∠BDC=35°です。このことから、円周角の定理の逆が成り立ちます。

円周角の定理の逆から、4点A,B,C,Dが同一円周上にあると言えます。このとき、四角形ABCDは円に内接する四角形となります。

このことに気付けば、円周角の定理を利用して角yを求めることができます。

問(2)の解答例

直線 $BC$ の同じ側にある $2$ 点 $A \ , \ D$ について

\begin{align*} \quad \angle BAC = \angle BDC = 35^{\circ} \end{align*}

円周角の定理の逆より、$4$ 点 $A \ , \ B \ , \ C \ , \ D$ は同一円周上にある。

これより

\begin{align*} \quad y = \angle CBD \end{align*}

$\angle CBD= 30^{\circ}$ より

\begin{align*} \quad y = 30^{\circ} \end{align*}
円周角の定理やその逆を扱った問題
問(2)の図

問(2)のように円がないと、円周角の定理の逆に気付かないことが多いので注意しましょう。

円周角の定理の逆を扱った問題問(2)の解答例
問(2)のポイントと解答例

四角形を扱った角度の問題では、円周角の定理の逆を利用することが多いので要注意です。円がないので気付かないことが多いので、多めに演習をこなしておきましょう。

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さいごに、もう一度、頭の中を整理しよう

  • 1つ(同一)の弧に対する円周角の大きさは等しい。
  • 1つ(同一)の弧に対して、円周角は中心角の半分(1/2)になる。
  • 円周角の定理の逆が成り立つとき、4点は同一円周上にある。
  • 円周角の定理の逆は、主に四角形を扱った問題で出題される。