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複素数と方程式|2乗すると○○になる複素数について

数学2 複素数と方程式数学II

今回は、2乗すると指定された数になる複素数について学習しましょう。複素数を2乗するので、複素数の定義を覚えておく必要があります。また、符号のミスも多いので注意しましょう。

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複素数を2乗する計算

複素数を2乗する計算では、虚数単位 i の扱いに注意しましょう。すでに虚数単位の定義を学習しているので、それを忘れずに用いるようにしましょう。

複素数と虚数単位
\begin{align*}
&\text{$a \ , \ b$ を実数、$i$ を虚数単位とする。} \\[ 5pt ]
&\text{このとき、複素数は} \\[ 5pt ]
&\quad a+bi \\[ 5pt ]
&\text{と表される数である。} \\[ 10pt ]
&\text{ただし、虚数単位を $i$ は} \\[ 5pt ]
&\quad i^{\scriptsize{2}} = -1 \\[ 5pt ]
&\text{を満たす。} \\[ 10pt ]
&\text{また、$a$ を複素数の実部、$b$ を複素数の虚部という。}
\end{align*}

このように定義される複素数を2乗すると、以下のように表されます。

複素数の2乗
\begin{align*}
&\text{複素数 $a+bi$ を2乗すると} \\[ 5pt ]
&\qquad \bigl(a+bi \bigr)^{\scriptsize{2}} \\[ 5pt ]
&\quad = a^{\scriptsize{2}}+2abi+b^{\scriptsize{2}}i^{\scriptsize{2}} \\[ 5pt ]
&\quad = a^{\scriptsize{2}}+2abi+b^{\scriptsize{2}} \cdot (-1) \\[ 5pt ]
&\quad = a^{\scriptsize{2}}-b^{\scriptsize{2}}+2abi \\[ 5pt ]
\end{align*}

虚数単位 i の2乗に気をつけて、虚数単位 i について整理しましょう。

例題

2乗すると指定された数になる複素数について、次の例題を解いてみましょう。

例題
\begin{align*}
&\text{2乗すると $8i$ になるような複素数 $z=x+yi$} \\[ 5pt ]
&\text{($x \ , \ y$ は実数)はちょうど2つ存在する。} \\[ 5pt ]
&\text{この $z$ を求めよ。}
\end{align*}

例題の解答・解説

題意から方程式を導出することができます。

例題の解答例①
\begin{align*}
&\text{$z$ を2乗すると $8i$ となるので} \\[ 5pt ]
&\quad z^{\scriptsize{2}} = 8i
\end{align*}

この等式の左辺を計算します。

例題の解答例②
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 5pt ]
&\quad z^{\scriptsize{2}} = 8i \\[ 5pt ]
&\text{ここで、$z=x+yi$ より} \\[ 5pt ]
&\quad \bigl(x+yi \bigr)^{\scriptsize{2}}=8i \\[ 5pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{2}}-y^{\scriptsize{2}}+2xyi = 8i
\end{align*}

複素数を求めるためには、実部と虚部を求めれば良いので、複素数の相等を利用します。このとき、実部と虚部がともに実数であることを断っておきましょう。この条件がなければ、両辺の実部どうし、虚部どうしを比較することはできません。

例題の解答例③
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{2}}-y^{\scriptsize{2}}+2xyi = 8i \\[ 5pt ]
&\text{$x \ , \ y$ は実数であるので、} \\[ 5pt ]
&\text{$x^{\scriptsize{2}}-y^{\scriptsize{2}} \ , \ 2xy$ も実数である。} \\[ 5pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{2}}-y^{\scriptsize{2}}=0 \quad \text{…①} \\[ 5pt ]
&\quad 2xy=8 \quad \text{すなわち} \quad xy=4 \text{…②}
\end{align*}

複素数の相等を利用して実部と虚部を比較すると、実数 x,y についての関係式が2つ得られます。これらを連立して解きます。

例題の解答例④
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{2}}-y^{\scriptsize{2}}=0 \quad \text{…①} \\[ 5pt ]
&\quad xy=4 \quad \text{…②} \\[ 5pt ]
&\text{①より} \\[ 5pt ]
&\quad \bigl(x+y \bigr)\bigl(x-y \bigr)=0 \\[ 5pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad y = \pm x
\end{align*}

①式を因数分解すると、実数 x,y についての関係式が得られることに気付きましょう。①式で得られた結果を②式に代入します。

例題の解答例⑤
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 5pt ]
&\quad y = \pm x \\[ 5pt ]
&\text{$y=x$ のとき、②より} \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{2}}=4 \quad \text{よって} \quad x = \pm 2 \\[ 5pt ]
&\text{これより、} \\[ 5pt ]
&\quad \text{$x=2$ のとき $y=2$} \\[ 5pt ]
&\quad \text{$x=-2$ のとき $y=-2$} \\[ 5pt ]
&\text{また、$y=-x$ のとき、②より} \\[ 5pt ]
&\quad -x^{\scriptsize{2}}=4 \\[ 5pt ]
&\text{これを満たす実数 $x$ は存在しない。} \\[ 5pt ]
&\text{したがって、求める複素数は} \\[ 5pt ]
&\quad z=2+2i \ , \ -2-2i
\end{align*}

求める複素数は2つ存在するので、場合分けが必要になります。一緒に求めることはできないので注意しましょう。複素数の相等を利用した後は、連立方程式を解くだけの計算問題です。焦らず丁寧に計算しましょう。

連立方程式の解き方

連立方程式の解き方は、1つとは限りません。ただし、場合によっては複雑になり、その結果、計算過程でミスをする可能性があります。

例題で言えば、②式を変形して、①式に代入する方法で解くことも間違いではありません。

例題の別解例①
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{2}}-y^{\scriptsize{2}}=0 \quad \text{…①} \\[ 5pt ]
&\quad xy=4 \quad \text{…②} \\[ 5pt ]
&\text{②より $x \neq 0$ であるので} \\[ 5pt ]
&\quad y=\frac{4}{x} \\[ 5pt ]
&\text{を①に代入すると} \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{2}}-\Bigl(\frac{4}{x}\Bigr)^{\scriptsize{2}}=0 \\[ 5pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{4}}-16=0
\end{align*}

①式と②式から、4次方程式が得られました。2次の項に代入するので次数が上がることに注意しましょう。一般に次数が上がると、式の扱いが難しくなります。連立方程式の解き方を予め予測することが大切です。

3次式以上の因数分解でも問題なければこのまま解いてしまいましょう。不安であれば、模範解答の方で解けるようにしておきましょう。

例題の別解例①
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{4}}-16=0 \\[ 5pt ]
&\text{これを解くと} \\[ 5pt ]
&\quad \bigl(x^{\scriptsize{2}}+4\bigr)\bigl(x^{\scriptsize{2}}-4\bigr)=0 \\[ 5pt ]
&\quad \bigl(x+2\bigr)\bigl(x-2\bigr)\bigl(x^{\scriptsize{2}}+4\bigr)=0 \\[ 5pt ]
&\text{$x^{\scriptsize{2}}+4 \neq 0$ より} \\[ 5pt ]
&\quad x = \pm 2
\end{align*}

どちらの解法を選んだとしても間違いではありませんが、ミスの起きにくい解法を採用したいところです。この辺りのさじ加減は、演習量が大いに関わってきますが、先を予測してみると計算しやすい解法を選択できるでしょう。また、経験値を上げるために、実際に解き比べてみることも必要でしょう。

次は、2乗すると指定された数になる複素数を扱った問題を実際に解いてみましょう。

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