図形と方程式|平行または垂直な直線の方程式について

数学II直線, 垂直, 平行, 図形と方程式, 傾き

今回は、平行な直線や垂直な直線の方程式について学習しましょう。2直線のうち、一方の直線の方程式から他方の直線の方程式を考えます。求めたい直線が通る点の座標なども与えられるので、それも加味します。

2直線の平行条件や垂直条件を利用するので、前回の内容を確認しながら進めていくと良いでしょう。

2直線の平行条件や垂直条件

2直線の平行条件は以下の通りでした。傾きの関係による式と、方程式の係数による式の2種類があります。

2直線の平行条件
\begin{align*}
&\text{2直線} \\[ 5pt ]
&\quad y=m_{1}x+n_{1} \\[ 7pt ]
&\quad y=m_{2}x+n_{2} \\[ 7pt ]
&\text{が平行であるとき} \\[ 5pt ]
&\quad m_{1}=m_{2} \quad \text{(平行条件)} \\[ 7pt ]
&\text{また、2直線} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1}x+b_{1}y+c_{1}=0 \\[ 7pt ]
&\quad a_{2}x+b_{2}y+c_{2}=0 \\[ 7pt ]
&\text{が平行であるとき} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1} b_{2}-a_{2} b_{1}=0 \quad \text{(平行条件)}
\end{align*}

2直線の垂直条件は以下の通りでした。平行条件と同じように、傾きの関係による式と、方程式の係数による式の2種類があります。

2直線の垂直条件
\begin{align*}
&\text{2直線} \\[ 5pt ]
&\quad y=m_{1}x+n_{1} \\[ 7pt ]
&\quad y=m_{2}x+n_{2} \\[ 7pt ]
&\text{が垂直であるとき} \\[ 5pt ]
&\quad m_{1} m_{2}=-1 \quad \text{(垂直条件)} \\[ 7pt ]
&\text{また、2直線} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1}x+b_{1}y+c_{1}=0 \\[ 7pt ]
&\quad a_{2}x+b_{2}y+c_{2}=0 \\[ 7pt ]
&\text{が垂直であるとき} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1} b_{1}+a_{2} b_{2}=0 \quad \text{(垂直条件)}
\end{align*}

これらの式は、与えられた直線の方程式が、傾きと切片を用いた式一般形で表した式かに応じて使い分けるのが一般的です。

平行または垂直な直線の方程式を求めてみよう

さっそく直線の方程式を求めてみましょう。

例題
\begin{align*}
&\quad \text{次の直線の方程式を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad \text{点 $(2 \ , \ -4)$ を通り、直線 $2x+y-3=0$ に平行な直線} \\[ 5pt ]
&(2) \quad \text{点 $(-2 \ , \ 3)$ を通り、直線 $x-3y-1=0$ に垂直な直線}
\end{align*}

例題(1)の解答・解説

例題(1)
\begin{align*}
&\quad \text{次の直線の方程式を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad \text{点 $(2 \ , \ -4)$ を通り、直線 $2x+y-3=0$ に平行な直線}
\end{align*}

文字 x の項と文字 y の項の係数がともに0ではないので、軸に垂直な直線ではありません。ですから、係数の吟味なしに変形して傾きを求めることができます。

例題(1)の解答例①
\begin{align*}
&\text{与えられた直線の方程式を変形すると} \\[ 5pt ]
&\quad y=-2x+3 \\[ 7pt ]
&\text{より、この直線の傾きは $-2$ である。}
\end{align*}

求めたいのは平行な直線の方程式です。2直線の平行条件を利用して傾きを求めます。また、この直線は特定の点を通ります。傾きと1点の座標を用いて、直線の方程式を求めます。

例題(1)平行な直線の図

解答例の途中で図示しましたが、本来ならば問題文を読みながら作図をします。解く前に作図しておけば「原点を通る直線になりそうだ」などと予想できたでしょう。

例題(1)の解答例②
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 7pt ]
&\text{よって、求める直線の方程式は} \\[ 5pt ]
&\quad y-\bigl( -4 \bigr)=-2 \bigl(x-2 \bigr) \\[ 7pt ]
&\text{すなわち} \\[ 5pt ]
&\quad y=-2x
\end{align*}

例題(2)の解答・解説

例題(2)
\begin{align*}
&\quad \text{次の直線の方程式を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(2) \quad \text{点 $(-2 \ , \ 3)$ を通り、直線 $x-3y-1=0$ に垂直な直線}
\end{align*}

例題(1)と同じ要領で解きます。文字 x の項と文字 y の項の係数がともに0ではないので、軸に垂直な直線ではありません。ですから、係数の吟味なしに変形して傾きを求めることができます。

例題(2)の解答例①
\begin{align*}
&\text{与えられた直線の方程式を変形すると} \\[ 5pt ]
&\quad y=\frac{1}{3} x-\frac{1}{3} \\[ 7pt ]
&\text{より、この直線の傾きは $\frac{1}{3}$ である。}
\end{align*}

求めたいのは垂直な直線の方程式です。2直線の垂直条件を利用して傾きを求めます。

例題(2)の解答例②
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 7pt ]
&\text{この直線に垂直な直線の傾きを $m$ とすると} \\[ 5pt ]
&\quad m \cdot \frac{1}{3}=-1 \\[ 7pt ]
&\text{これを解くと} \\[ 5pt ]
&\quad m=-3
\end{align*}

解答例の途中ですが、求める直線を作図すると以下の通りです。

例題(2)垂直な直線の図

求める直線は特定の点を通ります。傾きが分かったので、傾きと1点の座標を用いて、直線の方程式を求めます。

例題(2)の解答例③
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 7pt ]
&\text{よって、求める直線の方程式は} \\[ 5pt ]
&\quad y-3=-3 \Bigl\{x-\bigl(-2 \bigr) \Bigr\} \\[ 7pt ]
&\text{すなわち} \\[ 5pt ]
&\quad y=-3x-3
\end{align*}

一般形を上手に利用しよう

例題(1)の別解例

例題では、傾きと切片の分かる基本的な形式に変形しました。基本に忠実ではありますが、毎回、変形するのが面倒です。そこで、一般形を上手に利用することを考えてみましょう。

2直線が平行であるとき、傾きが一致します。傾きが一致するということは、一般形で表された2直線の方程式において、文字 x の項の係数がともに等しく、かつ文字 y の項の係数がともに等しくなるということです。そうでなければ、2直線の傾きは一致しません。

傾きが一致⇔係数が一致
\begin{align*}
&\text{2直線の方程式を} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1}x+b_{1}y+c_{1}=0 \\[ 7pt ]
&\quad a_{2}x+b_{2}y+c_{2}=0 \\[ 7pt ]
&\text{とする。} \\[ 5pt ]
&\text{2直線が平行であるとき、傾きが一致するので} \\[ 5pt ]
&\quad -\frac{a_{1}}{b_{1}}=-\frac{a_{2}}{b_{2}} \quad \text{ただし、$b_{1} \neq 0 \ , \ b_{2} \neq 0$} \\[ 7pt ]
&\text{ここで} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1}=a_{2} \quad \text{かつ} \quad b_{1}=b_{2} \\[ 7pt ]
&\text{が成り立てば、傾きは一致する。}
\end{align*}

このことを踏まえると、例題(1)は以下のように解くことができます。

例題(1)の別解例
\begin{align*}
&\text{点 $(2 \ , \ -4)$ を通り、直線 $2x+y-3=0$ に平行なので} \\[ 5pt ]
&\quad 2 \bigl( x-2 \bigr)+1 \cdot \Bigl\{y-\bigl( -4 \bigr) \Bigr\}=0 \\[ 7pt ]
&\text{これを整理すると} \\[ 5pt ]
&\quad 2x+y=0
\end{align*}

別解例で分かるように、傾きを求めずに一般形のままで求めることができます。ちなみに、文字 x を含む項を右辺に移行すれば、解答例と同じ式を導けます。

移行すると同じ式に
\begin{align*}
&\quad 2 \bigl( x-2 \bigr)+1 \cdot \Bigl\{y-\bigl( -4 \bigr) \Bigr\}=0 \\[ 7pt ]
&\text{より} \\[ 5pt ]
&\quad 1 \cdot \Bigl\{y-\bigl( -4 \bigr) \Bigr\}=-2 \bigl( x-2 \bigr) \\[ 7pt ]
&\text{これは例題(1)の解答例②の式} \\[ 5pt ]
&\quad y-\bigl( -4 \bigr)=-2 \bigl( x-2 \bigr) \\[ 7pt ]
&\text{と同じ式になる。}
\end{align*}

平行な直線の方程式を一般形で表すと、以下のようになります。ただし、1点の座標が必要です。

平行な直線の方程式
\begin{align*}
&\text{点 $(x_{1} \ , \ y_{1})$ を通り、直線 $ax+by+c=0$ に} \\[ 5pt ]
&\text{平行な直線の方程式は} \\[ 5pt ]
&\quad a \bigl( x-x_{1} \bigr)+b\bigl( y-y_{1} \bigr)=0 \\[ 7pt ]
&\text{これは $a=0$ または $b=0$ の場合も成り立つ。}
\end{align*}

この方程式の利点は、軸に垂直な直線の方程式まで表せるところです。傾きと切片を用いた方程式だと、どうしても x 軸に垂直な直線が除外されるので、別途に考えなければなりません。一般形であれば、この考察が不要になるので、かなり扱いやすい式だと思います。

例題(2)の別解例

2直線が垂直であるとき、傾きの積が-1となります。絶対値で考えれば、一方の傾きは、他方の傾きの逆数であることに気付きます。

逆数になっているということは、一般形で考えれば、文字 x の項の係数と文字 y の係数とが入れ替わっているということです。そうでなければ、傾きの積の絶対値が1になりません。

傾きの積の絶対値は1⇔傾きは逆数の関係
\begin{align*}
&\text{2直線の方程式を} \\[ 5pt ]
&\quad a_{1}x+b_{1}y+c_{1}=0 \\[ 7pt ]
&\quad a_{2}x+b_{2}y+c_{2}=0 \\[ 7pt ]
&\text{とする。} \\[ 5pt ]
&\text{2直線が垂直であるとき、傾きの積が $-1$ となるので} \\[ 5pt ]
&\quad \biggl(-\frac{a_{1}}{b_{1}} \biggr) \biggl(-\frac{a_{2}}{b_{2}} \biggr)=-1 \quad \text{ただし、$b_{1} \neq 0 \ , \ b_{2} \neq 0$} \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{a_{2}}{b_{2}}=-\frac{b_{1}}{a_{1}} \\[ 7pt ]
&\text{ここで} \\[ 5pt ]
&\quad a_{2}=b_{1} \quad \text{かつ} \quad b_{2}=-a_{1} \\[ 7pt ]
&\text{が成り立てば、傾きの積が $-1$ となる。}
\end{align*}

このことを踏まえると、例題(2)は以下のように解くことができます。

例題(2)の別解例
\begin{align*}
&\text{点 $(-2 \ , \ 3)$ を通り、直線 $x-3y-1=0$ に垂直なので} \\[ 5pt ]
&\quad -3 \Bigl\{x-\bigl( -2 \bigr) \Bigr\}-1 \cdot \bigl( y-3 \bigr)=0 \\[ 7pt ]
&\text{これを整理すると} \\[ 5pt ]
&\quad -3x-y-3=0 \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad 3x+y+3=0
\end{align*}

別解例で分かるように、傾きを求めずに一般形のままで求めることができます。ちなみに、文字 x を含む項を右辺に移行すれば、解答例と同じ式を導けます。

移行すると同じ式に
\begin{align*}
&\quad -3 \Bigl\{x-\bigl( -2 \bigr) \Bigr\}-1 \cdot \bigl( y-3 \bigr)=0 \\[ 7pt ]
&\text{より} \\[ 5pt ]
&\quad -1 \cdot \bigl( y-3 \bigr)=3 \Bigl\{x-\bigl( -2 \bigr) \Bigr\} \\[ 7pt ]
&\text{これは例題(2)の解答例③の式} \\[ 5pt ]
&\quad y-3=-3 \Bigl\{x-\bigl(-2 \bigr) \Bigr\} \\[ 7pt ]
&\text{と同じ式になる。}
\end{align*}

垂直な直線の方程式を一般形で表すと、以下のようになります。ただし、1点の座標が必要です。

垂直な直線の方程式
\begin{align*}
&\text{点 $(x_{1} \ , \ y_{1})$ を通り、直線 $ax+by+c=0$ に} \\[ 5pt ]
&\text{垂直な直線の方程式は} \\[ 5pt ]
&\quad b \bigl( x-x_{1} \bigr)-a \bigl( y-y_{1} \bigr)=0 \\[ 7pt ]
&\text{これは $a=0$ または $b=0$ の場合も成り立つ。}
\end{align*}

次は、平行または垂直な直線の方程式を扱った問題を実際に解いてみましょう。