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複素数と方程式|高次式の値について

数学2 複素数と方程式 剰余の定理と因数定理数学II

今回は、高次式の値について学習しましょう。式の値を求める問題は、ほとんどの単元で扱われます。

高次式の値を求める場合、これまでの基本的な求め方のほかに、高次式ならではの考え方を用いて求めます。求め方はもちろんですが、高次式を扱うときの考え方をしっかりマスターしましょう。

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高次式の値

式の値を求める場合、一般に式に数を代入して計算します。これが基本的な解法です。

しかし、高次式のように次数の高い整式となると、累乗の計算が増え、代入する箇所も増えます。特に、多項式の値を扱った問題では、代入するものが複素数であることがほとんどです。ですから、計算が非常に煩雑になります。

高次式の値を求めるときに意識したいのは、次数を下げるということです。この作業によって、計算をできるだけ簡単にすることができます。また、代入する箇所も少なくなるので、やはり計算ミスを減らすことができます。

高次式の値を求めるときは、高次式の次数を下げよう。

次数を下げる方法

高次式の次数を下げるには、割り算を利用します。つまり、割り算の基本公式を利用して、高次式を割る式や商、そして余りの3つに分解してしまうのです。

割る式や商、余りは、もとの高次式よりも次数が低い式です。次数が低くなれば、高次式に比べて式の値を計算しやすくなります。

問題は「割る式をどのようにして手に入れるか」です。手に入れるというよりも、作ると言った方が適切ですが、この手順を覚えることはさほど難しくありません。ただし、理解するためには2次方程式とその解についての知識が必要です。

高次式を割り算して次数を下げよう。

概要が分かったところで、高次式の値の求め方を例題で確認しましょう。

高次式の値を求めてみよう

次の例題を考えてみましょう。

例題
\begin{align*}
&\text{$x=-1+i$ のとき、$P=x^{\scriptsize{3}}+3x^{\scriptsize{2}}+x+2$ の値を求めたい。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad \text{$x^{\scriptsize{2}}+2x+2=0$ であることを証明せよ。} \\[ 7pt ]
&(2) \quad \text{$P$ を $x^{\scriptsize{2}}+2x+2$ 割った商と余りを求めよ。} \\[ 7pt ]
&(3) \quad \text{$P$ の値を求めよ。}
\end{align*}

最終目標は、高次式の値を求めることです。つまり、最終目標である(3)を解くためには、(1),(2)の結果が必要ということです。

例題(1)の解答・解説

例題(1)
\begin{align*}
&\text{$x=-1+i$ のとき、$P=x^{\scriptsize{3}}+3x^{\scriptsize{2}}+x+2$ の値を求めたい。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad \text{$x^{\scriptsize{2}}+2x+2=0$ であることを証明せよ。}
\end{align*}

例題(1)は、与えられた x の値について、等式が成り立つことを証明する問題です。最も簡単な考え方は、2次式の値を求めることです。

例題(1)の解答例
\begin{align*}
&\text{$x=-1+i$ のとき} \\[ 5pt ]
&\qquad x^{\scriptsize{2}}+2x+2 \\[ 7pt ]
&\quad =\bigl( -1+i \bigr)^{\scriptsize{2}}+2\bigl( -1+i \bigr)+2 \\[ 7pt ]
&\quad =1-2i+i^{\scriptsize{2}}-2+2i+2 \\[ 7pt ]
&\quad =1-1 \\[ 7pt ]
&\quad =0 \\[ 7pt ]
&\text{よって、$x=-1+i$ のとき} \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{2}}+2x+2=0
\end{align*}

$x=-1+i$ のとき、等式が成り立ちことが示せました。これは見方を変えると、$x=-1+i$ は、得られた2次方程式の解であると捉えることもできます。

式の値を求める問題では、上述した解答例が最も直接的な解法です。しかし、複素数を代入するので計算が少し面倒です。特に、虚数単位の取り扱いでミスをしがちです。ですから、以下のような解法もあります。

例題(1)の別解例
\begin{align*}
&\text{$x=-1+i$ より} \\[ 5pt ]
&\quad x+1=i \\[ 7pt ]
&\text{両辺を2乗すると} \\[ 5pt ]
&\quad \bigl( x+1 \bigr)^{\scriptsize{2}}=-1 \\[ 7pt ]
&\text{これを整理すると} \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{2}}+2x+2=0
\end{align*}

虚数単位が消えるように複素数を変形すると、この複素数を解にもつ2次方程式を作ることができます。このことは、解の公式を導出したことがある人であれば理解できるでしょう。解から逆算して、もとの2次方程式を作るのが別解の考え方です。

この解法の最大の利点は、虚数単位の扱いにほとんど気を遣う必要がないことです。別解として挙げましたが、模範解答として紹介されるのはこちらの解法です。

解が複素数のとき、複素数から2次方程式を作ろう。

なお、他の別解例としては、共役な複素数を考えて、和と積から2次方程式を求める解法もあります。

例題(1)の別解例
\begin{align*}
&\text{$x=-1+i$ を解にもつ2次方程式は、共役な複素数 $-1-i$ も解にもつ。} \\[ 5pt ]
&\text{このとき} \\[ 5pt ]
&\quad \bigl( -1+i \bigr)+\bigl( -1-i \bigr)=-2 \\[ 7pt ]
&\quad \bigl( -1+i \bigr) \bigl( -1-i \bigr)=2 \\[ 7pt ]
&\text{より、$x=-1+i$ を解にもつ2次方程式は} \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{2}}+2x+2=0
\end{align*}

例題(2)の解答・解説

例題(2)
\begin{align*}
&\text{$x=-1+i$ のとき、$P=x^{\scriptsize{3}}+3x^{\scriptsize{2}}+x+2$ の値を求めたい。} \\[ 5pt ]
&(2) \quad \text{$P$ を $x^{\scriptsize{2}}+2x+2$ 割った商と余りを求めよ。}
\end{align*}

3次式である与式を例題(1)で得た2次式で割ります。割る式が1次式ではないので、組立除法を利用することはできません

組立除法を利用できないので筆算します。丁寧に割り算しましょう。

高次式の割り算(1)

割られる式の次数の高い項から順に消去していきます。余りが割る式の次数よりも低くなれば、割り算を終えます。

例題(2)の解答例
\begin{align*}
&\text{筆算の結果から} \\[ 5pt ]
&\quad \text{商} \quad x+1 \\[ 7pt ]
&\quad \text{余り} \quad -3x
\end{align*}

これでようやく例題(3)を解く準備が整いました。

例題(3)の解答・解説

例題(3)
\begin{align*}
&\text{$x=-1+i$ のとき、$P=x^{\scriptsize{3}}+3x^{\scriptsize{2}}+x+2$ の値を求めたい。} \\[ 5pt ]
&(3) \quad \text{$P$ の値を求めよ。}
\end{align*}

例題(1),(2)の結果を上手に利用します。例題(2)で商と余りを求めたので、これらを使って与式を表します。

例題(3)の解答例①
\begin{align*}
&\text{(2)より} \\[ 5pt ]
&\quad P=\bigl( x^{\scriptsize{2}}+2x+2 \bigr) \bigl( x+1 \bigr)-3x
\end{align*}

割り算の基本公式を利用することで、3次式を2次式や1次式を使って表しました。その結果、次数を下げることができました。これに加えて、例題(1)の結果も利用します。

例題(3)の解答例①
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 7pt ]
&\quad P=\bigl( x^{\scriptsize{2}}+2x+2 \bigr)\bigl( x+1 \bigr)-3x \\[ 7pt ]
&\text{さらに(1)と $x=-1+i$ より} \\[ 5pt ]
&\quad P=0 \cdot \bigl( -1+i+1 \bigr)-3\bigl( -1+i \bigr) \\[ 7pt ]
&\text{すなわち} \\[ 5pt ]
&\quad P=3-3i
\end{align*}

例題(1)の結果を利用できるのは、$x=-1+i$ のときです。ですから、例題(1)の結果を利用するときに合わせて、与えられた複素数も代入しましょう。

剰余の定理のように割る式の値が0となるので、代入して計算するのは余りの部分だけです。虚数単位の扱いでミスをすることはまずありません。

入試などでは、(3)だけが単独で出題されることが多いのがこの問題の特徴です。そういう場合であっても、与えられた複素数を解にもつ2次方程式を求めて、方程式の左辺で割り算する、という流れで解きます。遠回りと感じるかもしれませんが、最初から代入して計算するよりも計算の負担は少なくなります。

また、次数を下げるという考え方を身に付けるという点でも大切な解法です。なお、この考え方は他の単元でも扱われるので覚えておきましょう。

問題を解決する手段を複数もつことは、複数の視点をもつことにつながる。引き出しを増やしておこう。

次は、高次式の値を扱った問題を実際に解いてみましょう。

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