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式と証明|複数の文字に関する恒等式について

数学2 式と証明アイキャッチ03数学II

今回は複数の文字に関する恒等式について学習しましょう。これまでは、文字が x の1種類だけでしたが、複数種類のときもあります。このように複数の文字を含む等式が恒等式であるとき、どのように扱えば良いのかを学習します。

多くの文字についてどのように対処すれば良いのかを知れば、係数比較法や数値代入法を用いることが可能になります。

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複数の文字に関する恒等式

等式が複数の文字に関する恒等式であるとき、どのような関係が成り立つのかを考えます。一般に、以下のようなことが言えます。

複数の文字を含む等式の一例
\begin{align*}
&\text{等式} \quad ax^{\scriptsize{2}}+bxy+cy^{\scriptsize{2}}+dx+ey+f = 0 \\[ 5pt ]
&\text{について、$x \ , \ y$ についての恒等式であるとき、} \\[ 5pt ]
&\quad a=b=c=d=e=f=0 \\[ 5pt ]
&\text{である。また、その逆も成り立つ。}
\end{align*}

等式が恒等式であるためには、2つの文字 x , y がどんな値でも等式が成り立てば良いので、上記のような関係式が導かれます。何となく分かりますが、このことが成り立つことをきちんと証明してみましょう。

例の証明

実際には以下のようにして、式が導かれます。

例の証明
\begin{align*}
&\quad ax^{\scriptsize{2}}+bxy+cy^{\scriptsize{2}}+dx+ey+f = 0 \\[ 10pt ]
&\text{等式の左辺を $x$ について整理すると} \\[ 5pt ]
&\quad a \underline{x^{\scriptsize{2}}}+(by+d) \underline{x}+(cy^{\scriptsize{2}}+ey+f) = 0 \\[ 5pt ]
&\text{これが $x$ についての恒等式であるので} \\[ 5pt ]
&\quad a=0 \ , \ b \underline{y}+d=0 \ , \ c \underline{y^{\scriptsize{2}}}+e \underline{y}+f=0 \\[ 5pt ]
&\text{また、これが $y$ についての恒等式であるので} \\[ 5pt ]
&\quad b=d=0 \ , \ c=e=f=0 \\[ 5pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad a=b=c=d=e=f=0
\end{align*}

文字が2つあるので、特定の文字に注目して処理していくのがポイントです。等式が x についての式だと考えて、係数比較法を用いて関係式を導出します。

また、導出された関係式においても、等式が y についての式だと考えて、係数比較法を用いて関係式をさらに導出します。これらから、もとの等式において、すべての係数や定数項が0であることが分かります。

証明では、1つの文字についての恒等式と考えて処理していますが、導かれた式から以下のように考えて良いことが分かります。

両辺の同類項の係数を比較
\begin{align*}
&\quad ax^{\scriptsize{2}}+bxy+cy^{\scriptsize{2}}+dx+ey+f = 0 \\[ 10pt ]
&\text{右辺を変形すると、等式は} \\[ 5pt ]
&\quad ax^{\scriptsize{2}}+bxy+cy^{\scriptsize{2}}+dx+ey+f \\[ 5pt ]
&\qquad = 0 \cdot x^{\scriptsize{2}}+0 \cdot xy+0 \cdot y^{\scriptsize{2}}+0 \cdot x+0 \cdot y+0 \\[ 5pt ]
&\text{と表せる。} \\[ 5pt ]
&\text{両辺の同類項の係数を比較すると} \\[ 5pt ]
&\quad a=b=c=d=e=f=0
\end{align*}

以上のことから、文字が複数あっても、これまでと同じように、両辺の同類項の係数がそれぞれ等しいことを用いて解くことができます。

複数の文字に関する恒等式
$ax^{\scriptsize{2}}+bxy+cy^{\scriptsize{2}}+dx+ey+f = 0$ が $x \ , \ y$ についての恒等式
⇔ $a=b=c=d=e=f=0$
を利用する。

例題を解いてみよう

次の例題を解いてみましょう。

例題
\begin{align*}
&\text{次の等式が $x \ , \ y$ についての恒等式となるように、} \\[ 5pt ]
&\text{定数 $a \ , \ b \ , \ c$ の値を定めよ。} \\[ 10pt ]
&\quad 2x^{\scriptsize{2}}-xy-3y^{\scriptsize{2}}+5x-5y+a = (x+y+b)(2x-3y+c)
\end{align*}

例題の解答・解説

文字が複数あっても、両辺の同類項の係数を比較すれば良いので、右辺を展開して整理します。

右辺を展開して整理する
\begin{align*}
&\text{右辺を展開して整理すると} \\[ 5pt ]
&\quad 2x^{\scriptsize{2}}-xy-3y^{\scriptsize{2}}+5x-5y+a \\[ 5pt ]
&\qquad = 2x^{\scriptsize{2}}-xy-3y^{\scriptsize{2}}+(2b+c)x+(-3b+c)y+bc
\end{align*}

両辺の同類項の係数を比較します。

係数を比較する
\begin{align*}
&\quad 2x^{\scriptsize{2}}-xy-3y^{\scriptsize{2}}+5x-5y+a \\[ 5pt ]
&\qquad = 2x^{\scriptsize{2}}-xy-3y^{\scriptsize{2}}+(2b+c)x+(-3b+c)y+bc \\[ 5pt ]
&\text{この等式が $x \ , \ y$ についての恒等式となるのは、} \\[ 5pt ]
&\text{両辺の各項の係数が等しいときであるので} \\[ 5pt ]
&\quad \begin{cases} 2b+c&=5 &\quad \text{…①} \\ -3b+c&=-5 &\quad \text{…②} \\ bc&=a &\quad \text{…③} \end{cases}
\end{align*}

連立方程式を解きます。

連立方程式を解く
\begin{align*}
&\quad \begin{cases} 2b+c&=5 &\quad \text{…①} \\ -3b+c&=-5 &\quad \text{…②} \\ bc&=a &\quad \text{…③} \end{cases} \\[ 5pt ]
&\text{①,②から} \\[ 5pt ]
&\quad b=2 \ , \ c=1 \\[ 5pt ]
&\text{これを③に代入して} \\[ 5pt ]
&\quad a=2 \\[ 5pt ]
&\text{したがって} \\[ 5pt ]
&\quad a=2 \ , \ b=2 \ , \ c=1
\end{align*}

文字が複数ある場合でも、1つずつ処理するのではなく、両辺の同類項の係数を比較することによって、定数の値を求めることができます。

なお、例題の設問を言い換えると「左辺が x , y の1次式の積に因数分解できるように a , b , c を定めよ」となります。これは「与えられた2次式が1次式の積に因数分解できる」という条件のついた問題があれば、恒等式の考えを利用できるということを示しています。

次は、複数の文字に関する恒等式を扱った問題を実際に解いてみましょう。

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