図形と方程式|直線の方程式について

01/21/2020数学II直線, 図形と方程式, 座標, 傾き, 切片

今回は、直線の方程式について学習しましょう。直線の方程式については中学ですでに学習しているので、比較的取り組みやすい単元かもしれません。

中学での学習内容をベースにしてさらに詳しく学習していきます。これまでの内容を意識しながら学習しましょう。

直線の方程式(傾き・切片)

中学で学習した直線の方程式は、傾き切片を用いて表された式です。グラフは以下の通りです。

比例の関係を表すグラフは原点を通る直線となりますが、それを y 軸方向へ切片のぶんだけ平行移動したものが、直線の方程式が表すグラフです。

直線の方程式①

傾きは、x の増加量1に対する y の増加量です。ですから、傾きのことを変化の割合と言うことがあります。また、切片は、グラフと y 軸との交点の y 座標です。

直線の方程式を、傾きと切片を用いて表すと以下のようになります。ただし、[1]の式は、y 軸に垂直な直線(傾きが0のとき)を含みますが、x 軸に垂直な直線を含みません。ですから、[2]の式があります。この2つですべての直線の式を表します。

直線の方程式①
\begin{align*}
&\text{[1] 傾きを $m$、切片を $n$ とする直線の方程式は} \\[ 5pt ]
&\quad y=mx+n \\[ 7pt ]
&\text{[2] 点 $(p \ , \ 0)$ を通り、x軸に垂直な直線の方程式は} \\[ 5pt ]
&\quad x=p
\end{align*}

すべての直線を表すことが1つの式でできないのは面倒です。ですから、以下のような一般形と言われる式があります。

直線の方程式の一般形
\begin{align*}
&\text{直線の方程式の一般形は} \\[ 5pt ]
&\quad ax+by+c=0 \\[ 7pt ]
&\text{ただし、$a \ , \ b \ , \ c$ は定数で、$a \neq 0$ または $b \neq 0$}
\end{align*}

一般形であれば、x 軸に垂直な直線( $b=0$ のとき)も含めることができます。なお、定数 a は傾きではないことに注意しましょう。

すべての直線を表すことができるのが一般形の式の利点ですが、直線の方程式を求めるために用いることはまずありません。一般形の式を用いる場合、3つの定数の値 a,b,c を求める必要があります。つまり、3つの方程式を導く必要があるということです。

問題では3点の座標が与えられている場合が考えられますが、2点を通る直線の方程式で解くことができます。積極的に用いることがない一般形の式ですが、このような表し方もあることだけは知っておきましょう。

直線の方程式という用語について

方程式とは、乱暴な言い方をすれば、文字を使った等式のことですが、もう少し丁寧な言い方をすれば、ある特定の数値だけしか成立しない等式のことです。

これを踏まえて直線を表す式で考えてみると、等式が成り立つのは、グラフ上の点の座標を代入したときだけです。グラフ上にない点の座標を代入しても、等式は成り立ちません。

グラフ上の点の座標、すなわちある特定の数値だけしか等式が成立しないので、直線を表す式のことを一般に直線の方程式と言います。

直線の方程式(傾き・1点の座標)

傾きと切片の情報がともに分かっている場合は意外と少ないです。切片が不明な場合もあります。そのような場合では、傾きと1点の座標が分かっています。

直線の方程式②

直線の方程式を、傾きと1点の座標を用いて表すと以下のようになります。

直線の方程式②
\begin{align*}
&\text{[1] 点 $(x_{1} \ , \ y_{1})$ を通り、傾きを $m$ とする直線の方程式は} \\[ 5pt ]
&\quad y-y_{1}=m \bigl( x-x_{1} \bigr) \\[ 7pt ]
&\text{[2] 点 $(x_{1} \ , \ y_{1})$ を通り、x軸に垂直な直線の方程式は} \\[ 5pt ]
&\quad x=x_{1}
\end{align*}

先程と同じように、[1]の式では x 軸に垂直な直線を表せないので、[2]の式があります。

また、以下のようにして[1]の式を導出できます。

直線の方程式②の導出
\begin{align*}
&\text{直線の方程式を} \\[ 5pt ]
&\quad y=mx+n \\[ 7pt ]
&\text{とすると、点 $(x_{1} \ , \ y_{1})$ を通るので} \\[ 5pt ]
&\quad y_{1}=m x_{1}+n \\[ 7pt ]
&\text{2つの等式を辺々引くと} \\[ 5pt ]
&\quad y-y_{1}=mx-mx_{1} \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad y-y_{1}=m \bigl( x-x_{1} \bigr)
\end{align*}

等式の左辺どうし、右辺どうしをそれぞれ引くことを「辺々引く」と言います。辺々引くことで切片を消去しています。

直線の方程式(2点の座標)

切片だけでなく、傾きの情報も不明である場合です。これからはこのような場合がほとんどです。この場合では、2点の座標が分かっています。

直線の方程式③

直線の方程式を、2点の座標を用いて表すと以下のようになります。

直線の方程式③
\begin{align*}
&\text{異なる2点 $(x_{1} \ , \ y_{1}) \ , \ (x_{2} \ , \ y_{2})$ を通る直線の方程式は} \\[ 5pt ]
&\text{[1] $x_{1} \neq x_{2}$ のとき} \\[ 5pt ]
&\quad y-y_{1}=\frac{y_{2}-y_{1}}{x_{2}-x_{1}} \bigl( x-x_{1} \bigr) \\[ 7pt ]
&\text{[2] $x_{1}=x_{2}$ のとき} \\[ 5pt ]
&\quad x=x_{1}
\end{align*}

先程と同じように、[1]の式では x 軸に垂直な直線を表せないので、[2]の式があります。

また、以下のようにして[1]の式を導出できます。

直線の方程式③の導出
\begin{align*}
&\text{異なる2点 $(x_{1} \ , \ y_{1}) \ , \ (x_{2} \ , \ y_{2})$ を通るので、} \\[ 5pt ]
&\text{変化の割合は} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{y_{2}-y_{1}}{x_{2}-x_{1}} \quad \bigl( x_{1} \neq x_{2} \bigr) \\[ 7pt ]
&\text{これは傾きに等しいので、これと点 $(x_{1} \ , \ y_{1})$ より} \\[ 5pt ]
&\quad y-y_{1}=\frac{y_{2}-y_{1}}{x_{2}-x_{1}} \bigl( x-x_{1} \bigr)
\end{align*}

傾きが変化の割合に等しいことを利用します。この性質は大切なのでしっかり覚えておきましょう。

一般形のように、1つの式ですべての直線を表せた方が使い勝手が良いことは明らかです。ですから、以下のような式もあります。

直線の方程式③
\begin{align*}
&\quad y-y_{1}=\frac{y_{2}-y_{1}}{x_{2}-x_{1}} \bigl( x-x_{1} \bigr) \\[ 7pt ]
&\text{の両辺に $x_{2}-x_{1}$ を掛けると} \\[ 5pt ]
&\quad \bigl( y_{2}-y_{1} \bigr) \bigl( x-x_{1} \bigr)-\bigl( x_{2}-x_{1} \bigr) \bigl( y-y_{1} \bigr)=0 \\[ 7pt ]
&\text{これは $x_{2}=x_{1}$ のときも含む。}
\end{align*}

[1]の式の分母を両辺に掛けて整理しています。この式であれば、[2]の式も含むので、すべての直線を表すことができます。

軸に垂直な直線は意外と忘れがちなので、2点を通る直線の方程式は分母を払った式で覚えておいた方が良いでしょう。

2点を通る直線の方程式
\begin{align*}
&\text{異なる2点 $(x_{1} \ , \ y_{1}) \ , \ (x_{2} \ , \ y_{2})$ を通る直線の方程式は} \\[ 5pt ]
&\quad \bigl( y_{2}-y_{1} \bigr) \bigl( x-x_{1} \bigr)-\bigl( x_{2}-x_{1} \bigr) \bigl( y-y_{1} \bigr)=0
\end{align*}

軸に垂直な直線の方程式

x 軸や y 軸に垂直な直線は以下のようなグラフになります。

直線の方程式④

x 軸に垂直な直線上にある点の座標は、x 座標がつねに一定です。同じように、y 軸に垂直な直線上にある点の座標は、y 座標がつねに一定です。

軸に垂直な直線の方程式
\begin{align*}
&\text{直線ABの方程式は} \\[ 5pt ]
&\quad y=y_{2} \\[ 7pt ]
&\text{直線BCの方程式は} \\[ 5pt ]
&\quad x=x_{2}
\end{align*}

直線の方程式を求めてみよう

以上のことから、分かっている情報に応じて直線の方程式の表し方が異なります。問題で直線の方程式を求めるときには、どの情報が与えられているかを考えましょう。

例題
\begin{align*}
&\quad \text{次の直線の方程式を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad \text{点 $(-1 \ , \ 3)$ を通り、傾きが $4$ の直線} \\[ 5pt ]
&(2) \quad \text{2点 $(0 \ , \ 5) \ , \ (3 \ , \ 2)$ を通る直線}
\end{align*}

例題(1)の解答・解説

例題(1)
\begin{align*}
&\quad \text{次の直線の方程式を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad \text{点 $(-1 \ , \ 3)$ を通り、傾きが $4$ の直線}
\end{align*}

傾きと1点の座標が分かっているときの方程式に代入します。

例題(1)の解答例
\begin{align*}
&\text{点 $(-1 \ , \ 3)$ を通り、傾きが $4$ であるので} \\[ 5pt ]
&\quad y-3=4 \bigl\{x-(-1) \bigr\} \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad y=4x+7
\end{align*}

慣れてきたら、以下の式で覚えておくと良いでしょう。

直線の方程式(傾き・1点の座標)
\begin{align*}
&\text{点 $(x_{1} \ , \ y_{1})$ を通り、傾きを $m$ とする直線の方程式は} \\[ 5pt ]
&\quad y-y_{1}=m \bigl( x-x_{1} \bigr) \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad y=m \bigl( x-x_{1} \bigr)+y_{1}
\end{align*}

左辺から右辺に移項しなければならないので、$y_{1}$ を初めから右辺に記述した方が記述量を減らせます。

例題(2)の解答・解説

例題(2)
\begin{align*}
&\quad \text{次の直線の方程式を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(2) \quad \text{2点 $(0 \ , \ 5) \ , \ (3 \ , \ 2)$ を通る直線}
\end{align*}

2点の座標が分かっているときの方程式に代入します。

例題(2)の解答例
\begin{align*}
&\text{2点 $(0 \ , \ 5) \ , \ (3 \ , \ 2)$ を通り、} \\[ 5pt ]
&\text{かつ2点の $x$ 座標が異なるので} \\[ 5pt ]
&\quad y-5=\frac{2-5}{3-0} \bigl( x-0 \bigr) \\[ 7pt ]
&\quad y-5=-1 \cdot x \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad y=-x+5
\end{align*}

2点の座標が分かっているときは、2点の x 座標を確認しましょう。また、代入ミスが多いので、公式を余白に書いたり、座標の上や下に対応する文字を書いたりすると代入ミスを減らせます。

代入ミスを減らす工夫

次は、直線の方程式を扱った問題を実際に解いてみましょう。