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図形の性質|重心について

数学A 図形の性質数学A

今回は重心について学習しましょう。重心は五心の1つです。五心には外心や内心も含まれます。

この重心を扱った問題は、図形を扱う単元(たとえばベクトル)では頻出です。重心のもつ性質やそれに関わる公式などを使いこなせるようにしておきましょう。

なお、記事の画像が見辛いときはクリックすると拡大できます。

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重心について

三角形の頂点と対辺の中点とを結んだ線分のことを中線と言います。

三角形では中線を3本引けますが、この3本の中線は1点で交わります。この交わってできた点が重心です。一般に、重心のことをアルファベットでGと表します。

重心の定義

重心の作図の仕方を覚えておきましょう。3辺の中点をとり、中線を引きます。中線を2本引けば交点ができます。この交点が重心になります。

重心の性質は作図からでは分かり辛いですが、重心は中線を頂点側から $2:1$ に内分することが分かっています。

重心は三角形の3中線の交点。また、重心は中線を頂点側から $2:1$ に内分する内分点。

重心の性質

重心のもつ性質

重心の定義は中線の交点でした。この重心は主に2つの性質をもちます。重心を扱った問題のパターンと考えても良いかもしれません。

  • 中線を頂点側から $2:1$ に内分する
  • 重心Gを頂点にもつ3つの三角形の面積は等しい

それぞれの性質がなぜ成り立つのかを知っておきましょう。性質の導出ではこれまでに学習した知識を利用します。良い復習になるので積極的に取り組みましょう。

重心による内分比の導出

△ABCにおいて、辺BC , CA , ABの中点をそれぞれP , Q , Rとします。また、3本の中線AP , BQ , CRの交点である重心をGとします。このとき、各中線AP , BQ , CRは重心Gによって頂点の方から $2:1$ に内分されます

重心による内分比

この性質を導出してみましょう。補助線が必要なので、初見で証明するのは難しいと思います。一度は自分で作図しながら導出しておきましょう。

図のような△ABCにおいて、3本の中線AP , BQ , CRを引くと、重心Gができます。まず補助線を引きます。たとえば、頂点Bを通り、中線CRに平行な直線と、直線APとの交点をSとします。

重心による内分比の導出

次は△ABSと△ARGに注目します。2本の直線CR , BSが平行であることを利用すると、△ABSと△ARGは相似な三角形となることが分かります。

△ABSと△ARGの関係
\begin{align*}
\angle {BAS} &= \angle {RAG} \quad \text{(共通角)} \\[ 5pt ]
\angle {ABS} &= \angle {ARG} \quad \text{(同位角)} \\[ 5pt ]
\therefore \triangle {ABS} &\backsim \triangle {ARG}
\end{align*}

△ABSと△ARGの相似比は、$AR=RB$ であるので $2:1$ です。これより、$BS:RG =2:1$となります。

重心による内分比の導出

次は△BPSと△CPGに注目します。こちらも2本の直線CR , BSが平行であることを利用すると、△BPSと△CPGは合同な三角形となることが分かります。

△BPSと△CPGの関係
\begin{align*}
BP &= CP \\[ 5pt ]
\angle {BPS} &= \angle {CPG} \quad \text{(対頂角)} \\[ 5pt ]
\angle {PBS} &= \angle {PCG} \quad \text{(錯角)} \\[ 5pt ]
\therefore \triangle {BPS} &\equiv \triangle {CPG}
\end{align*}

△BPSと△CPGが合同な三角形となるので $BS=CG$です。$BS:RG =2:1$ と $BS=CG$ であることから、$BS:RG = CG:RG =2:1$であることが分かります。

これで重心Gによる線分CRの内分比を導出できました。他の中線についても同じようにして、重心Gによる内分比を導出することができます。

これまでをまとめると以下のようになります。

重心による内分比の導出

数学1・Aで学習する内容は、中学の発展内容のようなものなので、中学で学習した内容を上手に利用することで公式や定理を導出することできます。

公式や定理などの導出は、既習内容を使いこなすための良い訓練になります。面倒臭がらずに積極的に取り組みましょう。理解が深まるだけでなく、応用力もしっかりと身に付きます。

重心Gを頂点にもつ三角形の関係

△ABCにおいて重心をGとすると、重心Gを頂点にもつ△GBC , △GCA , △GABの面積は等しくなります

重心を頂点にもつ三角形の面積

この性質を導出してみましょう。図のような△ABCにおいて、$\triangle {GAQ} = S$ とします。

重心を頂点にもつ三角形の面積の図

まず、△GAQと△GCQに注目します。

底辺をそれぞれAQ , QCとすると、△GAQと△GCQの高さは等しくなります。ですから、△GAQと△GCQにおいて、(面積比)=(底辺の比)が成り立ちます。

△GACをSで表す
\begin{align*}
&\quad \triangle {GAQ} : \triangle {GCQ} = AQ : QC \\[ 5pt ]
&AQ : QC = 1:1 \ \text{より} \\[ 5pt ]
&\quad \triangle {GAQ} : \triangle {GCQ} = 1 : 1 \\[ 5pt ]
&\quad \triangle {GAQ} = \triangle {GCQ} \\[ 5pt ]
&\triangle {GAQ} = \triangle {GCQ} = S \ \text{より} \\[ 5pt ]
&\quad \triangle {GCA} = 2S
\end{align*}

次は△GCAと△GCPの関係や△GCPと△GBPの関係に注目します。ここでも(面積比)=(底辺の比)が成り立つことを利用します。

重心を頂点にもつ三角形の面積の図

△GBCをSで表す
\begin{align*}
&\quad \triangle {GCA} : \triangle {GCP} = AG : GP \\[ 5pt ]
&AG : GP = 2:1 \ \text{より} \\[ 5pt ]
&\quad \triangle {GCA} : \triangle {GCP} = 2 : 1 \\[ 5pt ]
&\triangle {GCA} = 2S \ \text{より} \\[ 5pt ]
&\quad \triangle {GCP} = S \\[ 5pt ]
&\text{また} \ CP : BP = 1:1 \ \text{より} \\[ 5pt ]
&\quad \triangle {GCP} : \triangle {GBP} = 1:1 \\[ 5pt ]
&\triangle {GCP} = \triangle {GBP} = S \ \text{より} \\[ 5pt ]
&\quad \triangle {GBC} = 2S
\end{align*}

△GABについても同じようにして考えると、$\triangle {GAB} = 2S$と表せます。以上のことから、重心を頂点にもつ3つの三角形の面積は等しくなることが分かります。

これまでをまとめると以下のようになります。

重心を頂点にもつ三角形の面積

次は重心を扱った問題を実際に解いてみましょう。

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