熱中症に気をつけよう! 数学の公式・定理集あります。物理のヒント集始めました。
スポンサーリンク

式と証明|特徴のある文言を含む証明問題について

数学2 式と証明アイキャッチ03 数学II

今回は特徴のある文言を含む証明問題について学習しましょう。

証明問題に限りませんが、問題文の文言を、同値な表現や数式に置き換える力が必要です。つまり、このことが本質を理解することにつながります。ここを意識して数学の学習に取り組むことが大切です。

スポンサーリンク

「少なくとも1つは…」という表現を数式に置き換えよう

ここで扱う特徴のある文言とは、「少なくとも1つは…」です。たとえば、以下の3つの数式について条件が与えられたとします。

「少なくとも1つは…」という表現に注目
$x+y \ , \ y+z \ , \ z+x$ のうち少なくとも $1$ つは $0$ である。

少なくとも1つということなので、最小で1つ、最大で3つが0になるということです。この条件を別な表現で表します。

「少なくとも1つは…」という表現からの言い換え
$x+y \ , \ y+z \ , \ z+x$ のうち少なくとも $1$ つは $0$ である。
$\Longleftrightarrow x+y=0 \quad$ または $\quad y+z=0 \quad$ または $\quad z+x=0$

数学1で学習した「または」や「かつ」を用いて表しています。3つの数式は、同時に0になる必要はないので、「または」を用いて表せます。さらに、別な表現で表します。

「少なくとも1つは…」という表現から数式に置き換え
$x+y \ , \ y+z \ , \ z+x$ のうち少なくとも $1$ つは $0$ である。
$\Longleftrightarrow x+y=0 \quad$ または $\quad y+z=0 \quad$ または $\quad z+x=0$
$\Longleftrightarrow (x+y)(y+z)(z+x)=0$ …(※)

以上のことから、「3つの数式のうち少なくとも1つが0であること」は、(※)の等式が成り立つことと同値であることが分かります。このように、問題文で与えられた条件や表現から、別の表現や数式に置き換えられないかを考えることが、問題を解くために有効な方法となります。

問題文を数式で表現できるようになろう。

「少なくとも1つは…」を扱った例題を解いてみよう

次の例題を解いてみましょう。

例題
\begin{align*}
&\quad \frac{1}{x} +\frac{1}{y} +\frac{1}{z} = \frac{1}{x+y+z} \\[ 10pt ]
&\text{であるとき、$x+y \ , \ y+z \ , \ z+x$ のうち} \\[ 10pt ]
&\text{少なくとも $1$ つは $0$ であることを証明せよ。}
\end{align*}

特徴のある文言「少なくとも1つは…」があることに注目しましょう。

例題の解答・解説

結論を式で表す

結論は「3つの数式のうち少なくとも1つは0である」です。まず、結論を式で表すことを考えます。先ほどのプロセスを辿ると、結論を式で表すことができます。

結論を式で表す
\begin{align*}
&\text{$x+y \ , \ y+z \ , \ z+x$ のうち少なくとも $1$ つは $0$ である。} \\[ 10pt ]
&\Longleftrightarrow \quad \text{$x+y=0 \quad$ または $\quad y+z=0 \quad$ または $\quad z+x=0$} \\[ 10pt ]
&\Longleftrightarrow \quad (x+y)(y+z)(z+x)=0 \quad \text{…(※)}
\end{align*}

結論が成り立つには、(※)の等式が成り立つことを証明すれば良いことが分かります。

条件から結論が成り立つことを示す

次は、(※)の等式を導くことを考えます。予め与えられた等式があるので、これを変形して導くことを考えます。

条件式を変形する
\begin{align*}
&\quad \frac{1}{x} +\frac{1}{y} +\frac{1}{z} = \frac{1}{x+y+z} \quad \text{…①} \\[ 10pt ]
&\text{とおく。①から $xyz(x+y+z) \neq 0$ は明らか。} \\[ 10pt ]
&\text{よって、①の両辺に $xyz(x+y+z)$ を掛けると} \\[ 10pt ]
&\quad \Bigl(\frac{1}{x} +\frac{1}{y} +\frac{1}{z} \Bigr) \cdot xyz(x+y+z) = \frac{1}{x+y+z} \cdot xyz(x+y+z) \\[ 10pt ]
&\quad \frac{yz+zx+xy}{xyz} \cdot xyz(x+y+z) = \frac{1}{x+y+z} \cdot xyz(x+y+z) \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( yz+zx+xy \bigr) \bigl( x+y+z \bigr) = xyz
\end{align*}

与えられた等式の分母を払うことができました。(※)の等式を意識してさらに変形します。

条件式をさらに変形する
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( yz+zx+xy \bigr) \bigl( x+y+z \bigr) = xyz \\[ 10pt ]
&\text{$x$ についての式と考えて} \\[ 10pt ]
&\quad \Bigl\{ \bigl( y+z \bigr)x+yz \Bigr\}\Bigl\{ x+ \bigl( y+z \bigr) \Bigr\} – xyz = 0 \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( y+z \bigr)x^{\scriptsize{2}}+\bigl( y+z \bigr)^{\scriptsize{2}} x + xyz + yz \bigl( y+z \bigr) – xyz = 0 \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( y+z \bigr)x^{\scriptsize{2}}+\bigl( y+z \bigr)^{\scriptsize{2}} x + yz \bigl( y+z \bigr) = 0 \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( y+z \bigr) \Bigl\{ x^{\scriptsize{2}}+\bigl( y+z \bigr)x + yz \Bigr\} = 0 \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( y+z \bigr) \Bigl\{ \bigl( x+y \bigr) \bigl( x+z \bigr) \Bigr\} = 0 \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( y+z \bigr) \bigl( x+y \bigr) \bigl( x+z \bigr) = 0
\end{align*}

ようやく(※)の等式を導くことができました。式変形が難しいと感じるかもしれませんが、予め目標となる式が分かっています。ミスがなければ必ず導けるので、焦らず確実に変形しましょう。

式について吟味する
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( y+z \bigr) \bigl( x+y \bigr) \bigl( x+z \bigr) = 0 \\[ 10pt ]
&\text{よって} \\[ 10pt ]
&\quad x+y=0 \quad \text{または} \quad y+z=0 \quad \text{または} \quad z+x=0 \\[ 10pt ]
&\text{したがって、$x+y \ , \ y+z \ , \ z+x$ のうち少なくとも $1$ つは $0$ である。}
\end{align*}

例題では、条件から式を導くことができましたが、問題によっては導くことが難しい場合があります。その場合には、結論が成り立つ式が分かっているので、直接、その式が成り立つことを示します。条件式は導くために変形するのではなく、その式を証明するときの条件としてそのまま用います。

数学では逆算するのが有効

例題を通して分かるのは、結論から解決の方針を立てる考え方が大切だということです。証明問題を苦手にする人は多いようですが、意外とこの考え方を知らないのかもしれません。この考え方は、証明問題に限らず、数学全般で有効な方法なので、演習をこなしてマスターしておきましょう。

逆算の発想は、たとえば、入試や資格・検定の対策にも役立ちます。入試や資格・検定では、試験日が予め決まっています。つまり、準備できるまでの締切日が決まっているということです。

締切日から逆算して、取り組み方を考えるのが入試や資格・検定の準備です。受験で成功する人の多くは、意識的か無意識的かは別として、たいていこの発想で準備しています。

また、準備が中途半端になったり、計画通りに進まなかったりする場合、締切日から逆算せず、物理的に無理な計画になっていることが多いです。計画を上手く実行出来ない人は、締切日から逆算して計画を立ててみると良いでしょう。

結論から解決の方針を立てる考え方は数学だけでなく、日常生活でも有効。

次は、特徴のある文言を含む証明問題を実際に解いてみましょう。

特徴のある文言を含む証明問題を解いてみよう

次の問題を解いてみましょう。


\begin{align*}
&\quad a+b+c=1 \ , \ \frac{1}{a} +\frac{1}{b} +\frac{1}{c} = 1 \\[ 10pt ]
&\text{であるとき、$a \ , \ b \ , \ c$ のうち少なくとも} \\[ 10pt ]
&\text{$1$ つは $1$ であることを証明せよ。}
\end{align*}

問の解答・解説

結論から方針を立てるために、結論を式で表します。少なくとも1つが1であることを式で表すのは難しいので、少し工夫します。

問の解答例①
\begin{align*}
&\text{$a \ , \ b \ , \ c$ のうち少なくとも $1$ つは $1$ であることは} \\[ 10pt ]
&\text{$a-1 \ , \ b-1 \ , \ c-1$ のうち少なくとも $1$ つは $0$ であることと同値である。} \\[ 10pt ]
&\text{よって} \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( a-1 \bigr) \bigl( b-1 \bigr) \bigl( c-1 \bigr) = 0 \\[ 10pt ]
&\text{が成り立つことを示せばよい。}
\end{align*}

「~のうち少なくとも1つが0である」という表現に置き換えることができれば、この問題も例題と同じ要領で解くことができるようになります。目標となる式が分かったので、与えられた条件から式を導きます。記述するとすればここからです。

問1(1)の解答例②
\begin{align*}
&\quad \frac{1}{a} +\frac{1}{b} +\frac{1}{c} = 1 \\[ 10pt ]
&\text{の両辺に $abc \ ( \neq 0)$ を掛けると} \\[ 10pt ]
&\quad \Bigl(\frac{1}{a} +\frac{1}{b} +\frac{1}{c} \Bigr) \cdot abc = 1 \cdot abc \\[ 10pt ]
&\text{よって} \\[ 10pt ]
&\quad bc +ca +ab = abc \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( a+b \bigr)c +ab \bigl( 1-c \bigr) =0 \quad \text{…①}
\end{align*}

もう1つの条件を①式に代入して、文字の種類を減らします。

問の解答例③
\begin{align*}
&\text{$a+b+c=1$ より} \\[ 10pt ]
&\quad c=1-\bigl( a+b \bigr) \\[ 10pt ]
&\text{これを①に代入すると} \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( a+b \bigr)\Bigl\{ 1-\bigl( a+b \bigr) \Bigr\} +ab \Bigl\{ 1-1+\bigl( a+b \bigr) \Bigr\} =0 \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( a+b \bigr)\Bigl\{ 1-\bigl( a+b \bigr) \Bigr\} +ab \bigl( a+b \bigr) =0 \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( a+b \bigr)\Bigl\{ 1-\bigl( a+b \bigr)+ab \Bigr\} =0 \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( a+b \bigr) \bigl(ab-a-b+1 \bigr) =0 \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( a+b \bigr)\Bigl\{ a \bigl( b-1 \bigr)-\bigl( b-1 \bigr) \Bigr\} =0 \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( a+b \bigr) \bigl( b-1 \bigr) \bigl( a-1 \bigr) =0 \\[ 10pt ]
&\text{$a+b=1-c$ より} \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( 1-c \bigr) \bigl( b-1 \bigr) \bigl( a-1 \bigr) =0 \\[ 10pt ]
&\text{よって} \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( c-1 \bigr) \bigl( b-1 \bigr) \bigl( a-1 \bigr) =0
\end{align*}

目標の式を導くことができました。この式について吟味します。

問の解答例④
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( c-1 \bigr) \bigl( b-1 \bigr) \bigl( a-1 \bigr) =0 \\[ 10pt ]
&\text{よって} \\[ 10pt ]
&\quad c-1=0 \quad \text{または} \quad b-1=0 \quad \text{または} \quad a-1=0 \\[ 10pt ]
&\text{すなわち} \\[ 10pt ]
&\quad c=1 \quad \text{または} \quad b=1 \quad \text{または} \quad a=1 \\[ 10pt ]
&\text{したがって、$a \ , \ b \ , \ c$ のうち少なくとも $1$ つは $1$ である。}
\end{align*}

結論をどのように式で表すかがこの問のポイントでした。ここがしっかりしていないと、上手く証明することができないので注意しましょう。

「少なくとも1つは…」という表現から数式に置き換え
$a \ , \ b \ , \ c$ のうち少なくとも $1$ つは $1$ である。
$\Longleftrightarrow a=1 \quad$ または $\quad b=1 \quad$ または $\quad c=1$
$\Longleftrightarrow a-1=0 \quad$ または $\quad b-1=0 \quad$ または $\quad c-1=0$ (←ココがポイント)
$\Longleftrightarrow (a-1)(b-1)(c-1)=0$

問の別解例

解答例では、結論を表す式を条件を用いて導きました。ただ、もう1つの条件も用いる必要があったので、難しく感じるかもしれません。今後を考えると、このくらいの式変形はできるようになっておいた方が良いのですが、別解例では目標の式を導かずに解きます。

問の別解例①
\begin{align*}
&\quad \frac{1}{a} +\frac{1}{b} +\frac{1}{c} = 1 \\[ 10pt ]
&\text{の両辺に $abc( \neq 0)$ を掛けると} \\[ 10pt ]
&\quad \Bigl(\frac{1}{a} +\frac{1}{b} +\frac{1}{c} \Bigr) \cdot abc = 1 \cdot abc \\[ 10pt ]
&\text{よって} \\[ 10pt ]
&\quad bc +ca +ab = abc \quad \text{…①}
\end{align*}

ここからが異なります。結論を表す式を用いて、式の値が0であることを直接示します。

問の別解例②
\begin{align*}
&\text{ここで、} \\[ 10pt ]
&\quad P=\bigl( c-1 \bigr) \bigl( b-1 \bigr) \bigl( a-1 \bigr) \\[ 10pt ]
&\text{とおき、右辺を展開して整理すると} \\[ 10pt ]
&\quad P=abc-\bigl( bc+ca+ab \bigr) +\bigl( a+b+c \bigr)-1
\end{align*}

2つの条件を用いて、式の値が0であることを示します。

問の別解例②
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 10pt ]
&\quad P=abc-\bigl( bc+ca+ab \bigr) +\bigl( a+b+c \bigr)-1 \\[ 10pt ]
&\text{$a+b+c=1$ と①より} \\[ 10pt ]
&\quad P=abc-abc +1-1=0 \\[ 10pt ]
&\text{すなわち} \\[ 10pt ]
&\quad \bigl( c-1 \bigr) \bigl( b-1 \bigr) \bigl( a-1 \bigr)= 0 \\[ 10pt ]
&\text{よって} \\[ 10pt ]
&\quad c-1=0 \quad \text{または} \quad b-1=0 \quad \text{または} \quad a-1=0 \\[ 10pt ]
&\text{したがって、$a \ , \ b \ , \ c$ のうち少なくとも $1$ つは $1$ である。}
\end{align*}

結論を表す式が分かったら、その式の値が0であることを条件を用いて示す方針で解いています。こちらの方が直接的なので、解きやすいかもしれません。

ただし、どのような式を証明すれば結論を証明できるのかを知っていなければなりません。ですから、解答例と別解例のどちらであっても、結論から解決の方針を考えることに違いはありません。

Recommended books

おすすめというよりも、個人的にちょっと気になる書籍を紹介します。気になる人はぜひ一読してみて下さい。

「数学」は人類史上最大の発明だ!
「ゼロの発見」はなぜ、画期的だったのか?
座標の発明に貢献した意外な生きものとは?
微分・積分が最速で理解できる、いちばん簡単な考え方は?
「ビジネス上の決断」や「人生の選択」で役立つ数学的思考法があった!
そして意外にも、算数よりずっとやさしい!?
おどろきのエピソード満載で語る、誰でも楽しめる「超」入門書。

東大生クイズ王・伊沢拓司、渾身のALL書き下ろし!

東大生クイズ王・伊沢拓司が、自身の「勉強法」を一から解き明かします。
高校時代、クイズ界で「知識のモンスター」として名を成すも学業がおろそかになり、成績は学年で下から数えるほどに。
そこから東大受験突破にいたるまでに伊沢氏が分析し、実践した「勉強法」を伝授します。
その他、クイズ王の暗記術、ノート術など、伊沢氏が考える「勉強の骨肉」を一挙大公開!

第1章 なぜ受験勉強をするのか?
第2章 勉強法こそが大事だ
第3章 「受験生活」への入り方
第4章 成績の読み方が視界をクリアにする
第5章 「たかが暗記」とまだ言うか?
第6章 曇りなき思考で見定め、決める
第7章 教科ごとの特徴をつかめ
第8章 合格の先、不合格の先

さいごにもう一度まとめ

  • 証明問題では、結論から解決の方針を立てよう。
  • 結論を式で表せるようになろう。
  • 条件を利用して、結論を表す式を導こう。
  • 結論を表す式を導くのが難しいと感じたら、結論を表す式を条件を利用して証明しよう。
スポンサーリンク
Amazon ノート・メモ帳ランキング
楽天市場 学習参考書ランキング
スポンサーリンク
スポンサーリンク
気になる教材があればコチラで探せます。
数学II
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
フォローする
ちょっとど忘れしたときの公式・定理集

数学で覚えるべき公式や定理は、一覧で眺めてみるとそれほど多くはありません。大切なことは覚えることではなく、「公式や定理をどのように使うか」です。

公式・定理集で確認しつつ、演習で積極的に使っていきましょう。

日々是鍛錬 ひびこれたんれん
タイトルとURLをコピーしました