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式と証明|比例式の値について

数学2 式と証明アイキャッチ03 数学II

今回は比例式の値について学習しましょう。比例式には特有の扱い方がありました。ここでは、その扱い方を用いて、比例式の値を求めます。

難しい計算はそれほど多くないですが、式の変形が少し特殊かもしれません。求め方の手順をしっかり理解しましょう。

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比例式の値

比例式とは、比の値が等しいことを示す式のことでした。

比例式の少し厄介な点は、比の値は、あくまでも商(割合と考えても良い)を表しており、文字そのものの値を表すわけではないということです。このままだと代入するにも不便なので、工夫する必要があります。

比例式の扱い方
\begin{align*}
&\quad \frac{a}{b}=\frac{c}{d}=k \\[ 10pt ]
&\text{とおくと} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{a}{b}=k \quad \text{より} \ a= bk \\[ 5pt ]
&\quad \frac{c}{d}=k \quad \text{より} \ c=dk
\end{align*}

「= k」とおくことで、他の文字を用いてはいますが、文字 ac の値を表すことができ、式に代入しやすくなります。このように「= k」とおくことが比例式特有の扱い方となります。

これを利用して比例式の値を求める問題があります。

比例式の値を扱った例題

例題から比例式の値の求め方のポイントを考えてみましょう。

例題
\begin{align*}
&\text{$\frac{y+z}{x}=\frac{z+x}{y}=\frac{x+y}{z}$ のとき、} \\[ 10pt ]
&\text{この式の値を求めよ。}
\end{align*}

例題の解答・解説

与式から、どの分数式の値も等しいことが分かります。ですから、どれか1つでも分数式の値が分かれば解けそうだと予想できます。ただ、比例式の分母からどの文字の値も0ではないことは言えますが、それ以上は分かりません。ですから、このままでは上手くいきそうにないことに気付きます。

そこで、比例式特有の扱い方を利用します。

「$=k$」とおく
\begin{align*}
&\quad \frac{y+z}{x}=\frac{z+x}{y}=\frac{x+y}{z}=k \\[ 10pt ]
&\text{とおく。}
\end{align*}

「= k」とおいたので、文字 k の値を求めることができれば、分数式や文字の値に拘らなくても比例式の値を求めることができそうです。

文字 k の値を求めるために、3つの分数式から新たに関係式を導出します。

比例式を変形する
\begin{align*}
&\quad \frac{y+z}{x}=\frac{z+x}{y}=\frac{x+y}{z}=k \\[ 10pt ]
&\text{より、} \\[ 5pt ]
&\quad y+z=xk \quad \text{…①} \\[ 5pt ]
&\quad z+x=yk \quad \text{…②} \\[ 5pt ]
&\quad x+y=zk \quad \text{…③}
\end{align*}

比例式の値を求める問題では、ここからが本番です。3つの等式① , ② , ③から文字 k の値を求めますが、ちょっとしたテクニックを用います。

等式の辺々を加える
\begin{align*}
&\text{① , ② , ③について、辺々を加えると} \\[ 5pt ]
&\quad 2 \bigl( x+y+z \bigr)= \bigl( x+y+z \bigr)k \quad \text{…④}
\end{align*}

辺々を加える」とは、等式の左辺どうし、右辺どうしを足し算することです。3つの等式の辺々を加えることによって、新たに④式を得ることができます。

ここで、最も間違いが多いのは、両辺に共通因数 xyzがあるので、何も考えずに共通因数で両辺を割ってしまうことです。

ここでは、文字 x , y , z の値が不明なので、場合によっては共通因数 xyz の値が0である可能性があります。もちろん、0ではない場合もありますが、このままでは何とも言えません。文字や文字を含む式の値が確実に0ではないと言えなければ、簡単に割り算してはいけません。

0で割ることはできない。文字や文字を含む式の値が0になる可能性があれば、むやみに割り算しないこと。

ここから先に進むために、場合分けをします。まず、共通因数 xyz の値が0でないときです。

場合分けその1
\begin{align*}
&\quad 2 \bigl( x+y+z \bigr)= \bigl( x+y+z \bigr)k \quad \text{…④} \\[ 10pt ]
&\text{[ 1 ] $x+y+z \neq 0$ のとき} \\[ 5pt ]
&\quad \text{④より} \quad k= 2
\end{align*}

④式から比例式の値を簡単に求めることができました。比例式の値が分かったので、次の場合分けに進みたいのですが、問題によっては求めた比例式の値が不適になるときがあります。

それを確認するために、求めた比例式の値に対して、連立方程式を解きます。比例式の分母が0でないことは明らかなので、もし、文字 x , y , z の値がどれか1つでも0となれば、求めた比例式の値は不適となります。

連立方程式を解く
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 5pt ]
&\quad \text{④より} \quad k= 2 \\[ 5pt ]
&\text{このとき、① , ② , ③は} \\[ 5pt ]
&\quad y+z=2x \quad \text{…①’} \\[ 5pt ]
&\quad z+x=2y \quad \text{…②’} \\[ 5pt ]
&\quad x+y=2z \quad \text{…③’} \\[ 5pt ]
&\text{①’-②’より、} \\[ 5pt ]
&\quad y-x=2x-2y \quad \text{よって} \ x=y \\[ 5pt ]
&\text{これと③’より、} \\[ 5pt ]
&\quad x+x=2z \quad \text{よって} \ x=z \\[ 5pt ]
&\text{したがって、} \\[ 5pt ]
&\quad x=y=z
\end{align*}

連立方程式を解くと、文字 x , y , z の値がすべて等しいことが分かりました。比例式の分母である x , y , z の値が0となるような解が得られなかったので、この場合分けで求めた比例式の値は、題意に適することが分かります。

共通因数が0でないとき、比例式の値を求めたら、連立方程式を解く。

次に、共通因数 xyz の値が0であるときです。このとき、④式では比例式の値を求めることはできないので、与式の分数式を用います。

場合分けその2
\begin{align*}
&\text{[ 2 ] $x+y+z = 0$ のとき} \\[ 5pt ]
&\quad x+y+z = 0 \quad \text{より} \ y+z=-x \\[ 5pt ]
&\text{これと与式から、} \\[ 5pt ]
&\quad \frac{y+z}{x}=\frac{-x}{x}=-1 \\[ 10pt ]
&\text{よって、$k=-1$} \\[ 5pt ]
&\text{[ 1 ] , [ 2 ]より、} \\[ 5pt ]
&\text{$x+y+z \neq 0$ のとき} \quad 2 \\[ 5pt ]
&\text{$x+y+z = 0$ のとき} \quad -1 \\[ 5pt ]
\end{align*}

この場合分けでは、比例式の値に対して、連立方程式を解いていません。これは、以下のように①~③式がすべて同じ式になり、解くことができないからです。

$k$ の値を代入する
\begin{align*}
&\quad y+z=xk \quad \text{…①} \\[ 5pt ]
&\quad z+x=yk \quad \text{…②} \\[ 5pt ]
&\quad x+y=zk \quad \text{…③} \\[ 10pt ]
&\text{これらに $k=-1$ を代入すると} \\[ 5pt ]
&\quad y+z=-x \quad \text{より} \ x+y+z=0 \\[ 5pt ]
&\quad z+x=-y \quad \text{より} \ x+y+z=0 \\[ 5pt ]
&\quad x+y=-z \quad \text{より} \ x+y+z=0
\end{align*}
共通因数が0であるとき、分数式を用いて比例式の値を求める。求めた比例式の値に対して、連立方程式を解く必要なし。

式の値は、場合分けから分かるように、2通りあります。式の値を求めるときであっても、比例式であれば、まず「= k」とおいてスタートしましょう。また、基本的に場合分けが必要になるので、忘れないようにしましょう。

循環形の式の扱い方

循環形の式
\begin{align*}
&\quad y+z=xk \quad \text{…①} \\[ 5pt ]
&\quad z+x=yk \quad \text{…②} \\[ 5pt ]
&\quad x+y=zk \quad \text{…③}
\end{align*}

「= k」とおいて得られた① , ② , ③の左辺は、xyzx とおくと次の式が得られることから、文字 x , y , z の循環形と言われます。このような循環形の式では、解答例のように、辺々を加えたり引いたりすると上手くいくことが多いのが特徴です。

ただし、① , ② , ③の連立方程式を解く要領で文字を減らしていくのが基本なので、循環形に気付かなくても解くことは可能です。

循環系の式の連立方程式では、辺々を足したり引いたりすると上手くいくことが多い。

次は、比例式の値を扱った問題を実際に解いてみましょう。

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