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複素数と方程式|解と係数の関係と対称式について

数学2 複素数と方程式 解と係数の関係 数学

今回は、解と係数の関係と対称式について学習しましょう。対称式は、式の値を求める問題でよく出題されます。

特に、基本対称式は、解と係数の関係と関連付けて出題されます。展開の公式をマスターしておく必要があるので、忘れている人は見直しておきましょう。

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対称式

対称式とは、文字を入れ替えても同じになる式のことです。

たとえば、以下のような式が対称式です。

対称式の例
\begin{align*}
&\text{次の式は $x \ , \ y$ を入れ替えても同じ式(対称式)} \\[ 5pt ]
&\quad x+y \ , \ xy \ , \ x^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{2}} \ , \ x^{\scriptsize{3}}+y^{\scriptsize{3}} \\[ 7pt ]
&\text{それに対して、次の式は $x \ , \ y$ を入れ替えると違う式} \\[ 5pt ]
&\quad x-y \ , \ xy^{\scriptsize{2}} \ , \ x+y^{\scriptsize{2}} \ , \ x^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{3}}
\end{align*}

例の1番目と2番目の式は、基本対称式と言われます。基本対称式を見て分かるように、解と係数の関係と関わりがあることにすぐに気付くでしょう。

基本対称式
\begin{align*}
&\quad x+y \ , \ xy \\[ 7pt ]
&\text{を基本対称式と言う。} \\[ 5pt ]
&\text{なお、対称式は、基本対称式を用いて表すことができる。}
\end{align*}

対称式が面白いのは、基本対称式を用いて表すことができるということです。

基本対称式を用いた形に与式を変形する

基本対称式は、展開の公式にも出てきます。ですから、対称式を基本対称式を用いて表すとき、展開の公式を利用します。

公式を少し変形するだけで得られるので、作り方を覚えておくと良いでしょう。そうは言っても、それほど難しくないので、問題を解くうちに覚えてしまうでしょう。

式の値で頻出の対称式を挙げておきます。

式の値の問題で扱われる対称式
\begin{align*}
&(1) \quad x^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{2}} = \bigl(x+y \bigr)^{\scriptsize{2}}-2xy \\[ 7pt ]
&(2) \quad x^{\scriptsize{3}}+y^{\scriptsize{3}} = \bigl(x+y \bigr)^{\scriptsize{3}}-3xy \bigl(x+y \bigr)
\end{align*}

基本対称式を用いた形への変形を確認しておきましょう。

対称式(1)の導出
\begin{align*}
&\quad \bigl(x+y \bigr)^{\scriptsize{2}} = x^{\scriptsize{2}}+2xy+y^{\scriptsize{2}} \\[ 7pt ]
&\text{より、$2xy$ を左辺に移項して} \\[ 5pt ]
&\quad \bigl(x+y \bigr)^{\scriptsize{2}}-2xy = x^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{2}} \\[ 7pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{2}} = \bigl(x+y \bigr)^{\scriptsize{2}}-2xy
\end{align*}

対称式(2)についても同じ要領で変形します。基本対称式を意識しましょう。

対称式(2)の導出
\begin{align*}
&\quad \bigl(x+y \bigr)^{\scriptsize{3}} = x^{\scriptsize{3}}+3x^{\scriptsize{2}}y+3xy^{\scriptsize{2}}+y^{\scriptsize{3}} \\[ 7pt ]
&\text{より、} \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{3}}+y^{\scriptsize{3}} = \bigl(x+y \bigr)^{\scriptsize{3}}-3x^{\scriptsize{2}}y-3xy^{\scriptsize{2}} \\[ 7pt ]
&\text{さらに、} \\[ 5pt ]
&\quad x^{\scriptsize{3}}+y^{\scriptsize{3}} = \bigl(x+y \bigr)^{\scriptsize{3}}-3xy \bigl(x+y \bigr)
\end{align*}

ちなみに、最後の式の右辺をさらに共通因数( x+y )でくくると、3次式の因数分解の公式になります。状況によっては、因数分解の公式を用いる場合もありますが、式の値ではそのほとんどで対称式(2)を利用します。

このように対称式であれば、基本対称式を用いた形に変形することができます。

ところで、文字をαとβに置き換えると、基本対称式は、2次方程式の解の和や積と同じ式です。このことから解と係数の関係と絡めた問題が出題されることが分かります。

2次方程式と式の値の組み合わせなら、解と係数の関係を利用する問題。

例題を解いてみよう

解と係数の関係と対称式を扱った問題を解いてみましょう。

例題
\begin{align*}
&\text{2次方程式 $x^{\scriptsize{2}}-3x+4=0$ の2つの解を} \\[ 5pt ]
&\text{$\alpha \ , \ \beta$とするとき、次の式の値を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad {\alpha}^{\scriptsize{2}}+{\beta}^{\scriptsize{2}} \\[ 7pt ]
&(2) \quad {\alpha}^{\scriptsize{3}}+{\beta}^{\scriptsize{3}} \\[ 7pt ]
&(3) \quad \bigl(\alpha+1 \bigr)\bigl(\beta+1 \bigr) \\[ 7pt ]
&(4) \quad {\alpha}^{\scriptsize{2}} \beta+\alpha{\beta}^{\scriptsize{2}}
\end{align*}

2次方程式と式の値を組み合わせた問題です。各問の式は、対称式になっています。

例題(1)の解答・解説

例題(1)
\begin{align*}
&\text{2次方程式 $x^{\scriptsize{2}}-3x+4=0$ の2つの解を} \\[ 5pt ]
&\text{$\alpha \ , \ \beta$とするとき、次の式の値を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(1) \quad {\alpha}^{\scriptsize{2}}+{\beta}^{\scriptsize{2}}
\end{align*}

解と係数の関係を利用して、αとβの和と積、すなわち基本対称式の値を求めます。

例題(1)の解答例①
\begin{align*}
&\text{解と係数の関係より、} \\[ 5pt ]
&\quad \alpha+\beta=-\frac{-3}{1} = 3 \\[ 7pt ]
&\quad \alpha \beta =\frac{4}{1} = 4
\end{align*}

解と係数の関係」という文言をきちんと記述しておきましょう。この基本対称式の値を間違ってしまうと、この問題では全滅する恐れがあるので気を付けましょう。

基本対称式の値を正確に求めよう。

基本対称式の値が分かったら、与式を基本対称式を用いた形に変形します。変形できたら、基本対称式に値を代入して整理します。

例題(1)の解答例②
\begin{align*}
&\quad \vdots \\[ 7pt ]
&\quad {\alpha}^{\scriptsize{2}}+{\beta}^{\scriptsize{2}} = \bigl(\alpha+\beta \bigr)^{\scriptsize{2}}-2\alpha \beta \\[ 7pt ]
&\text{より、} \\[ 5pt ]
&\quad {\alpha}^{\scriptsize{2}}+{\beta}^{\scriptsize{2}} =3^{\scriptsize{2}}-2 \cdot 4 \\[ 5pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad {\alpha}^{\scriptsize{2}}+{\beta}^{\scriptsize{2}} =1
\end{align*}

例題(1)の対称式は頻出の式です。必ず変形できるようにしておきましょう。

解と係数の関係と式の値を組み合わせた問題では、αやβに値をそれぞれ代入せずに式の値を求めます。αやβの値が分からなくても、解と係数の関係によって、基本対称式(αとβの和や積)の値が分かるからです。これは、与式が基本対称式で表せる対称式であることも関係しています。

もちろん、2次方程式を解けば、αやβの値を求めることはできますが、とても面倒です。式に値を代入することに馴染みがなければ、少し不思議な感じがするかもしれません。しかし、問題の趣旨は式の値を求めることであって、αやβの値を求めることではないことに注意しましょう。

与式が対称式であることと、解と係数の関係の式が基本対称式であることを上手に利用しよう。αやβの値ではなく、式の値が分かれば良いことに注意しよう。

例題(2)の解答・解説

例題(2)
\begin{align*}
&\text{2次方程式 $x^{\scriptsize{2}}-3x+4=0$ の2つの解を} \\[ 5pt ]
&\text{$\alpha \ , \ \beta$とするとき、次の式の値を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(2) \quad {\alpha}^{\scriptsize{3}}+{\beta}^{\scriptsize{3}}
\end{align*}

例題(1)で求めた基本対称式の値を利用します。与式を基本対称式を用いた形に変形します。変形できたら、基本対称式に値を代入して整理します。

例題(2)の解答例
\begin{align*}
&\quad {\alpha}^{\scriptsize{3}}+{\beta}^{\scriptsize{3}} = \bigl(\alpha+\beta \bigr)^{\scriptsize{3}}-3\alpha \beta \bigl(\alpha+\beta \bigr) \\[ 7pt ]
&\text{より、} \\[ 5pt ]
&\quad {\alpha}^{\scriptsize{3}}+{\beta}^{\scriptsize{3}} =3^{\scriptsize{3}}-3 \cdot 4 \cdot 3 \\[ 5pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad {\alpha}^{\scriptsize{3}}+{\beta}^{\scriptsize{3}} =-9
\end{align*}

例題(2)も頻出なので、確実に解けるようにしておきましょう。

例題(3)の解答・解説

例題(3)
\begin{align*}
&\text{2次方程式 $x^{\scriptsize{2}}-3x+4=0$ の2つの解を} \\[ 5pt ]
&\text{$\alpha \ , \ \beta$とするとき、次の式の値を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(3) \quad \bigl(\alpha+1 \bigr)\bigl(\beta+1 \bigr)
\end{align*}

例題(1)で求めた基本対称式の値を利用します。与式を基本対称式を用いた形に変形します。

一見して、変形できないように感じます。しかし、与式は対称式なので、必ず基本対称式で表すことができます。

与式を展開します。本問では、展開すれば基本対称式のある形になります。基本対称式に値を代入して整理します。

例題(3)の解答例
\begin{align*}
&\text{与式を展開して} \\[ 5pt ]
&\quad \bigl(\alpha+1 \bigr)\bigl(\beta+1 \bigr) =\underline{ \alpha \beta } +\underline{ \alpha+\beta}+1 \\[ 7pt ]
&\text{より、} \\[ 5pt ]
&\quad \bigl(\alpha+1 \bigr)\bigl(\beta+1 \bigr) =4+3+1 \\[ 5pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad \bigl(\alpha+1 \bigr)\bigl(\beta+1 \bigr) =8
\end{align*}

基本対称式を意識していれば、展開すべきか、因数分解すべきかが分かります。与式をよく観察しましょう。

例題(4)の解答・解説

例題(4)
\begin{align*}
&\text{2次方程式 $x^{\scriptsize{2}}-3x+4=0$ の2つの解を} \\[ 5pt ]
&\text{$\alpha \ , \ \beta$とするとき、次の式の値を求めよ。} \\[ 5pt ]
&(3) \quad {\alpha}^{\scriptsize{2}} \beta+\alpha{\beta}^{\scriptsize{2}}
\end{align*}

例題(1)で求めた基本対称式の値を利用するために、与式を変形します。

例題(4)の与式も対称式なので、必ず基本対称式を用いた形に変形できます。変形できたら、基本対称式に値を代入して整理します。

例題(4)の解答例
\begin{align*}
&\text{与式を因数分解して} \\[ 5pt ]
&\quad {\alpha}^{\scriptsize{2}} \beta+\alpha{\beta}^{\scriptsize{2}} = \alpha \beta \bigl(\alpha+\beta \bigr) \\[ 7pt ]
&\text{より、} \\[ 5pt ]
&\quad {\alpha}^{\scriptsize{2}} \beta+\alpha{\beta}^{\scriptsize{2}} =4 \cdot 3 \\[ 5pt ]
&\text{よって} \\[ 5pt ]
&\quad {\alpha}^{\scriptsize{2}} \beta+\alpha{\beta}^{\scriptsize{2}} =12
\end{align*}

例題(3)は展開でしたが、例題(4)は因数分解で変形する問題でした。上手に変形して、基本対称式を用いた形を作りましょう。

次は、解と係数の関係と対称式を扱った問題を実際に解いてみましょう。

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