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数列の極限|はさみうちの原理を正しく使おう

はさみうちの原理を正しく使おう 数学III

数学3「数列の極限」で学習する「さみうちの原理」についてです。この「はさみうちの原理」は、英語では定理(theorem)の名を冠される場合が多く、squeeze theorem, pinching theorem, sandwich theorem などと呼ばれています。

極限値を求めるとき、はさみうちの原理にはかなりお世話になりますが、正しく利用できていますか? 記述の仕方によっては減点されてしまうので、正しい使い方を知っておきましょう。

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はさみうちの原理の定義

はさみうちの原理は以下のように定義されています。

はさみうちの原理
\begin{align*}
&\text{数列 $\{ a_{n} \} \ , \ \{ b_{n} \} \ , \ \{ c_{n} \}$ において} \\[ 10pt ]
&\quad \text{(i) $\,$ つねに $\ a_{n} \lt c_{n} \lt b_{n} \ $ (または $a_{n} \leqq c_{n} \leqq b_{n}$ )} \\[ 10pt ]
&\quad \text{(ii) $\ \displaystyle \lim_{ n \to \infty } a_n = \displaystyle \lim_{ n \to \infty } b_n = \alpha$ } \\[ 10pt ]
&\text{ならば} \quad \displaystyle \lim_{ n \to \infty } c_n = \alpha
\end{align*}

定義が分かったところで、次の問題を解いてみましょう。

はさみうちの原理を扱った問題を解いてみよう

例題
\begin{equation*}
\displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{n}{2^n} \ \text{を求めよ。}
\end{equation*}

この問題は極限値を求める問題で、はさみうちの原理を利用します。どのように記述すれば良いかを考えてみましょう。

例題の解答例

考えられる解答例を2つ挙げてみました。後半部分の記述が異なりますが、ほとんど同じで、得られた値も当然ながら同じです。

しかし、記述では答えが正しくても満点とは限りません。解答例1の記述の場合、実際の試験では満点になりません。どこに間違いがあるのか分かるでしょうか?

解答例1の間違いに気付いた人は、はさみうちの原理のことを本当に理解している人です。何でも挟んでおけば良いというわけではないということです。2つの解答例の異なる部分を見比べて考えてみましょう。

解答例1
\begin{align*}
&\text{二項定理より、十分大きい $n$ に対して、} \\[ 10pt ]
&\quad 2^{n} = {(1+1)^{n}} = \displaystyle \sum_{ k = 0 }^{ n } {}_n \mathrm{ C }_k \gt \frac{n(n-1)}{2} \\[ 10pt ]
&\text{となるので、} \\[ 10pt ]
&\quad 0 \lt \frac{n}{2^{n}} \lt \frac{n}{\frac{n(n-1)}{2}} = \frac{2}{n-1} \\[ 10pt ]
&\text{が成り立つ。したがって、} \\[ 10pt ]
&\quad 0 \leqq \displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{n}{2^n} \leqq \displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{2}{n-1} = 0 \\[ 10pt ]
&\text{よって、はさみうちの原理より、} \\[ 10pt ]
&\quad \displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{n}{2^n} = 0
\end{align*}
解答例2
\begin{align*}
&\text{二項定理より、十分大きい $n$ に対して、} \\[ 10pt ]
&\quad 2^{n} = {(1+1)^{n}} = \displaystyle \sum_{ k = 0 }^{ n } {}_n \mathrm{ C }_k \gt \frac{n(n-1)}{2} \\[ 10pt ]
&\text{となるので、} \\[ 10pt ]
&\quad 0 \lt \frac{n}{2^{n}} \lt \frac{n}{\frac{n(n-1)}{2}} = \frac{2}{n-1} \\[ 10pt ]
&\text{が成り立つ。} \\[ 10pt ]
&\quad \displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{2}{n-1} = 0 \\[ 10pt ]
&\text{が成り立つので、はさみうちの原理より、} \\[ 10pt ]
&\quad \displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{n}{2^n} = 0
\end{align*}

下から4行目以降(したがって~)が異なります。はたしてどこがおかしいのでしょうか。

はさみうちの原理を正しく理解しよう

もう一度、はさみうちの原理の定義を振り返ってみましょう。

はさみうちの原理

\begin{align*}
&\text{数列 $\{ a_{n} \} \ , \ \{ b_{n} \} \ , \ \{ c_{n} \}$ において} \\[ 10pt ]
&\quad \text{(i) $\,$ つねに $\ a_{n} \lt c_{n} \lt b_{n} \ $ (または $a_{n} \leqq c_{n} \leqq b_{n}$ )} \\[ 10pt ]
&\quad \text{(ii) $\ \displaystyle \lim_{ n \to \infty } a_n = \displaystyle \lim_{ n \to \infty } b_n = \alpha$ } \\[ 10pt ]
&\text{ならば} \quad \displaystyle \lim_{ n \to \infty } c_n = \alpha
\end{align*}

定義の言わんとすることを考えてみましょう。定義の(i)は、3つの数列について第 $n$ 項どうしの大小関係がつねに成り立っていることを表しています。

次に定義の(ii)です。定義(ii)は、言い換えると以下のようなことを表しています。

定義(ii)の言い換え

\begin{align*}
&\displaystyle \lim_{ n \to \infty } a_n = \displaystyle \lim_{ n \to \infty } b_n = \alpha \\[ 10pt ]
&\quad \Updownarrow \\[ 10pt ]
&\displaystyle \lim_{ n \to \infty } a_n \ , \ \displaystyle \lim_{ n \to \infty } b_n \ \text{が存在し、その有限確定値が一致する。}
\end{align*}

さいごに「ならば」以降の結論部分を言い換えると以下のようになります。

結論部分の言い換え

\begin{align*}
&\displaystyle \lim_{ n \to \infty } c_n = \alpha \\[ 10pt ]
&\quad \Updownarrow \\[ 10pt ]
&\displaystyle \lim_{ n \to \infty } c_n \ \text{が存在し、その有限確定値が一致する。}
\end{align*}

つまり、結論にある「 $\small{ \displaystyle \lim_{ n \to \infty } c_n = \alpha }$ 」は「(ア) 数列 $\{ c_n \}$ には極限が存在し、(イ) その値が $\alpha$ である」という2つの事柄(ア) , (イ)を示していることが分かります。

これらのことから「はさみうちの原理」の定義から以下のようなことが分かります。

「はさみうちの原理」の本当の意味

はさみうちの原理は、極限が分からない数列 $\{ c_n \}$ について、

  • 極限の存在を示す
  • 存在が示された極限の値を求める

ための道具である。

これを照らし合わせると、解答例1の方がおかしいことが分かるのではないでしょうか。

解答例1

\begin{align*}
&\text{二項定理より、十分大きい $n$ に対して、} \\[ 10pt ]
&\quad 2^{n} = {(1+1)^{n}} = \displaystyle \sum_{ k = 0 }^{ n } {}_n \mathrm{ C }_k \gt \frac{n(n-1)}{2} \\[ 10pt ]
&\text{となるので、} \\[ 10pt ]
&\quad 0 \lt \frac{n}{2^{n}} \lt \frac{n}{\frac{n(n-1)}{2}} = \frac{2}{n-1} \\[ 10pt ]
&\text{が成り立つ。したがって、} \\[ 10pt ]
&\quad 0 \leqq \displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{n}{2^n} \leqq \displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{2}{n-1} = 0 \\[ 10pt ]
&\text{よって、はさみうちの原理より、} \\[ 10pt ]
&\quad \displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{n}{2^n} = 0
\end{align*}

「したがって」以降に注目しましょう。以下の式が間違えた箇所です。

記述ミスの箇所

\begin{equation*}
0 \leqq \displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{n}{2^n} \leqq \displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{2}{n-1} = 0
\end{equation*}

極限の存在をまだ示していないにも関わらず、$\small{ \displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{n}{2^n} }$ と記述しています。公式や定義の意味を正しく理解し、些細な記述ミスで満点を逃してしまわないようにしましょう。

さいごに「はさみうちの原理」について、その使い方をまとめておきましょう。

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