数と式|整式の言い方や表し方について

06/23/2016数学1数と式,整式,係数,次数,降べきの順

整式の呼び名や表し方をはじめから学びなおす

今回は、整式についてもう少し掘り下げます。

整式は特定の情報に着目すると、その言い方や表し方が変わってしまいます。ですから、着目の仕方によって他人よりも多くの情報を得ることができます。

整式の言い方は着目するもので異なる

整式は何に着目するかで、その言い方が異なります。

たとえば、に着目した場合、整式は単項式多項式などと言われます。また、整式の次数に着目した場合、単項式や多項式の区別なく「~次式」と言います。

同じ整式であっても、着目するものが変われば言い方も変わるので注意しましょう。

整式の次数や文字に着目

以下の2つの単項式を考えます。

単項式

\begin{equation*} \frac {1}{5} a \ , \ 5xy^{2} \end{equation*}

単項式は、数や文字の積だけで表され、1つのかたまりとして扱う式です。

次数に注目したときの分かること・分からないこと

掛け合わされた文字の個数である次数を数えると、次数は左の式から順に1,3です。

次数に着目した場合、左式を1次式、右式を3次式と言います。整式を実際に見なければ、文字が何種類あるのかや、単項式か多項式かを「~次式」という言い方から知ることはできません。

次数に着目するとき、注意したいのは複数の文字を含む単項式や項があるときです。

複数の文字を含む単項式や項

\begin{align*} &5xy^{2} \\[ 5pt ] = \ &5 \times x \times y \times y \end{align*}

例に挙げた3次式には、3個の文字(xが1個とyが2個)があり、これらが掛け合わされて単項式ができています。

ただ単に次数だけを知りたいのであれば、3次式と言うだけで足ります。しかし、3個の文字が同じ種類なのか異なる種類なのかまでは分かりません。

つまり「~次式」という名称では、文字の種類までは判別できません

「~次式」の言い方で分かること・分からないこと

  • 文字の個数が分かる。多項式なら最高次数の項の文字の個数が分かる。
  • 文字が何種類あるかは分からない。

特定の文字に着目したときの分かること・分からないこと

そこで、特定の文字に着目した言い方があります。この言い方であれば、整式のより詳しい情報を知ることができます。

特定の文字に着目する

\begin{equation*} 5xy^{2} \end{equation*}

上式について、文字xに着目した場合、文字xは1個なので、この整式を「xについての1次式」と言います。それに対して、文字yに着目した場合、文字yは2個なので、この整式を「yについての2次式」と言います。

同じ3次式を見ていたはずですが、特定の文字に注目すると、整式の言い表し方が変わってしまいます。単項式か多項式かを知ることはできませんが、注目した文字の数だけは分かります。

特定の文字に注目したことが分かるように、「xについての」や「yについての」という文言を忘れない。

特定の文字に注目した言い表し方の分かること・分からないこと

  • 特定の文字の個数が分かる。多項式なら最高次数の項にある特定の文字の個数が分かる。
  • 文字が何種類あるかは分からない。

着目しない文字の扱い

特定の文字に着目する場合、着目しない文字の扱いに注意する必要があります。

この場合、着目しない文字を数と同じように扱います。たとえば、xについて着目していれば、yは数と同じ扱いをします。

このときに何が変わるかというと、係数が変わってきます。

xについて着目すると、yは数扱い

$5xy^{2}$ を $x$ についての整式と考えると
\begin{equation*} \quad 5 \underline{x} y^{2} = 5y^{2} \underline{x} \end{equation*}
より、係数は $5y^{2}$
$5xy^{2}$ を $y$ についての整式と考えると
\begin{equation*} \quad 5x \underline{y^{2}} \end{equation*}
より、係数は $5x$

文字xに着目した場合、文字yを数と同じように扱います。このとき、文字xを項の一番後ろに配置すると、係数である $5{ y }^{ 2 }$ が分かりやすくなります。

また、文字yに着目した場合、文字xを数と同じように扱います。このときの係数は、$5x$ です。

特定の文字に着目するメリットは、式の扱いやすさです。後から学習しますが、整式の展開や因数分解のときに分かります。

特定の文字に着目する場合、着目しない文字は係数の一部になります。慣れないうちは間違えやすいので、注目する文字に下線を引いて区別できるようにしましょう。ミスを減らせます。

多項式のときは慎重に

整式が多項式のとき、単項式よりも慎重に扱う必要があります。たとえば以下の整式を考えます。

多項式の一例

\begin{equation*} 4x^{2}+2xy-5x+3 \end{equation*}

この多項式には、文字を含む項が3つ、定数項が1つあります。最高次数は1,2番目の項の次数で、それぞれ2です。ですから、この整式は2次式です。

しかし、単に2次式という呼び方では、文字が2個あるというだけで、種類までは分かりません。

多項式で特定の文字に着目する

この多項式でも特定の文字に着目して考えてみます。単項式のときよりも利点が分かるかもしれません。

文字xに着目した場合

文字xに着目する

$x$ についての多項式と考えると
\begin{align*} &4\underline{x^{2}}+2 \underline{x}y-5 \underline{x}+3 \\[ 10pt ] = \ &4\underline{x^{2}}+2y \underline{x}-5 \underline{x}+3 \end{align*}

最高次数は、文字xが2個ある1番目の項の次数となるので、「xについての2次式」と言います。他にx以外の文字があるのか分かりませんが、多項式の最高次数の項にxが2個あることは分かります。

2番目の項には文字yが含まれますが、この項でもxだけが文字扱いで、yは数扱いです。この項の係数は $2y$ となります。ですから、2番目の項の次数は、xについて着目すると2ではなく、1となります。

3番目の項も次数が1なので、2番目と3番目の項はxについての同類項となります。同類項であれば、1つの項にまとめることができます。

文字xに着目して同類項をまとめる

$x$ についての多項式と考えると
\begin{align*} &4\underline{x^{2}}+2 \underline{x}y-5 \underline{x}+3 \\[ 10pt ] = \ &4\underline{x^{2}}+2y \underline{x}-5 \underline{x}+3 \\[ 10pt ] = \ &4x^{2}+\left(2y-5 \right)x+3 \end{align*}

分配法則を利用すると、同類項を1つにまとめることができます。4つの項からなる多項式が、3つの項からなる多項式になりました。元の式よりもすっきり見えます。

特定の文字に着目すると項の数を減らせる

$x$ についての多項式と考えると
\begin{align*} &4x^{2}+2xy-5x+3 \\[ 5pt ] = \ &4x^{2}+\left( 2y-5 \right) x+3 \end{align*}

多項式を扱うとき、項の数が少ないは良いことです。また、注目した文字について、降べきの順に並べると、多項式を見やすくなります。式の判読性が上がれば、扱いやすさも格段に変わります。

多項式において特定の文字に着目する利点

  • 特定の文字について、整理する(降べきの順に並べる)ことができる。
  • 同類項があれば、項の数を減らせる。

整式の表し方

今後、複数の種類の文字を含む整式を扱うことが多くなります。その際に、特定の文字に着目し、同類項をまとめたり、降べきの順に並べたりして整式を整理します。少しでも扱いやすくするためです。

降べきの順に並べるのは、特定の文字に着目しなくても行うのが一般的です。暗黙のルールなので習慣にしておきましょう。

ここで学習した内容は、高校数学では特に指示がなくても行います。特に、これから学習する展開や因数分解の単元では必修なので、ここでマスターしておくとスムーズに取り組めるでしょう。整式、特に多項式を見たら、とにかく特定の文字に着目して式を整理しましょう。

さいごにもう一度まとめ

  • 同じ整式でも言い表し方が変わる場合があるので注意しよう。
  • 着目する文字によって、次数や係数が異なる。
  • 着目しない文字は数と同じ扱いになり、係数の一部となる。
  • 特定の文字に着目すると、同類項が存在する場合がある。
  • 特定の文字に着目すると、項の数を減らせる場合がある。
  • 多項式では、降べきの順に並べる習慣をつけよう。