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図形と計量|空間図形への応用について

空間図形への応用について数学I

「図形と計量」の最後は空間図形への応用です。

四角形や円などの平面図形と同じように、三角比に関する知識をいかに使いこなせるかが大切です。ここにきて身に付けていない知識があると滞ってしまいます。もちろん、図形に関する知識も必要に応じて利用しなければなりません。

これまでに身に付けた知識をどのように使うのかを意識しながら学習しましょう。なお、記事の画像が見辛いときはクリックすると拡大できます。

参考 図形と計量|三角比の定義について
参考 図形と計量|三角比の拡張について
参考 図形と計量|三角比の相互関係について その1
参考 図形と計量|三角比の相互関係について その2
参考 図形と計量|正弦定理について
参考 図形と計量|余弦定理について

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空間図形について

空間図形とは、三次元の広がりをもった立体図形のことで、たとえば立方体や直方体などのことです。

高校では、四面体や六面体などの空間図形が扱われます。「~面体」は面の数で空間図形を区別する言い方ですが、その中でも4つの面がすべて正三角形である正四面体は頻出です。

ちなみに、立方体や直方体は、面を6つもつので六面体です。特に、立方体はすべての面が正方形になっているので、正六面体と言います。

これらの空間図形に対して三角比を使うわけですが、三角比でできることは辺の長さや角の大きさを求めたり、面積を求めたりするくらいです。辺の長さや面積が分かれば、空間図形の体積を求めることもできます。基本的に辺の長さを求めるために三角比を使うので、あまり難しく考えないようにしましょう。

空間図形を作図するときの注意点

ただし、空間図形の難しいところは、3次元であるところです。作図を上手にしないと見誤ったり、気付かなかったりすることが平面図形のときよりも多くなります。

空間図形の作図

空間図形は奥行があるように描くので、特に角の大きさを見誤りやすくなります。ささいなミスをしないためには、自分なりのルールを決めて作図した方が良いでしょう。

作図するときの自分なりのルール(例)

  • 長さが等しい辺には1カ所だけ数値を入れて、他は記号で済ます。
  • 大きさが等しい角も同じ。
  • 注目している面は抜き出して考える。

作図では長さが等しいことや平行であることを表す記号があります。そのような記号を上手に使うと、スッキリした作図ができます。また、注目している面を抜き出して考えることは非常に効果的です。空間図形の問題では、「できる限り2次元に次元を落として考える」ことが大切です。

作図をしても何も得ることができない図では意味がない。自分なりのルールで役に立つ図を描こう。

正四面体の垂線について

正四面体については先ほども触れましたが、もう少し詳しく確認しておきます。

この単元では、正四面体の体積を求めるまでを小問形式で出題されることが多く、その場合、正四面体の高さを求める必要があります。正四面体の高さは、頂点から底面に下ろした垂線の長さです。この垂線が底面のどこに下ろされるのかを知っておく必要があります。

正四面体の4つの面はすべて正三角形です。頂点から底面に垂線を下ろすと、垂線は底面の重心を通ります。この重心は、底面が正三角形であるので外接円の中心(外心)と一致します。つまり、垂線は、底面の重心であり、外接円の中心でもある点で底面と交わります。

重心とは、三角形の3つの中線が交わる点で、すべての中線を2:1の比に分ける。中線とは、頂点と対辺の中点とを通る線分のこと。

正四面体の性質についてまとめると以下のようになります。問題を解くための予備知識として覚えておきましょう。

正四面体についてのまとめ

垂線と底面との交点が外接円の中心になることの証明は、直角三角形の合同証明によって得られます。言われてみると分かるのですが、自分で証明するとなると、一度は証明しておかないとなかなか難しいと思います。この単元の問題を解くときにきっと役に立つので、ぜひチャレンジしてみて下さい。証明の例は以下のようになります。

正四面体の垂線について

次は実際に問題を解いてみましょう。

正四面体を扱った問題を解いてみよう。

次の問題を考えてみましょう。

正四面体を扱った問題

設問全体に目を通すと、最後の第1問(3)で正四面体の体積を求めますが、それまでの問題をきちんと解いていけば必、要な数量が揃っているはずです。計算ミスのないように注意しましょう。

第1問(1)の解答・解説

第1問(1)
1辺の長さが $\sqrt{3}$ である正四面体OABCにおいて、頂点Oから△ABCに垂線OHを下ろすとき、AHの長さ

作図すると以下のような図が描けます。必要に応じて面を抜き出して、2次元で考えるようにします。

第1問(1)の作図

線分AHは、底面の△ABC上にあるので、△ABCを抜き出します。このとき、辺の長さや角の大きさなどを、立体のときよりも正確に作図しておきます。

この線分AHの長さは、点Hが△ABCの外接円の中心であることを知っていれば、外接円の半径に等しいことが分かります。「外接円の半径」が出てくれば正弦定理です。

第1問(1)の解答例
△ABCにおいて、正弦定理より、
\begin{align*}
2R &= \frac{BC}{\sin {\angle BAC}} \\[ 5pt ]
2 \cdot AH &= \frac{\sqrt{3}}{\sin 60^{\circ}} \\[ 5pt ]
AH &= \frac{\sqrt{3}}{2 \cdot \sin 60^{\circ}}
\end{align*}

式に数を代入した後はミスのないように計算します。解答例は以下のようになります。

第1問(1)の解答例

別解になりますが、△ABCが正三角形であることに注目してより図形的に解くこともできます。△ABCの3つの中線はそれぞれが対辺の垂直二等分線であり、角の二等分線でもあります。これを利用すると、三角比の定義だけで求めることもできます。

第1問(1)の別解図

第1問(1)の別解例
三角比の定義より、
\begin{align*}
\cos 30^{\circ} &= \frac{\frac{1}{2}AC}{AH} \\[ 5pt ]
AH &= \frac{\frac{\sqrt{3}}{2}}{\cos 30^{\circ}} \\[ 5pt ]
AH &= \frac{\frac{\sqrt{3}}{2}}{\frac{\sqrt{3}}{2}} \\[ 5pt ]
AH &= 1
\end{align*}

第1問(2)の解答・解説

第1問(2)
1辺の長さが $\sqrt{3}$ である正四面体OABCにおいて、頂点Oから△ABCに垂線OHを下ろすとき、OHの長さ
ただし、(1)でAH=1

第1問(2)の作図

垂線OHは、底面の△ABCとは垂直の関係にあります。したがって第1問(1)で求めた線分AHを一辺にもつ△OAHは直角三角形です。

直角三角形では三平方の定理が成り立つので、それを利用して垂線OHの長さ、すなわち正四面体の高さを求めます。

第1問(2)の解答例
△OAHにおいて、三平方の定理より、
\begin{align*}
&{OH}^{2} + {AH}^{2} = {OA}^{2} \\[ 5pt ]
&{OH}^{2} = {OA}^{2} – {AH}^{2} \\[ 5pt ]
\end{align*}

あとはこれを解くだけです。解答例の続きは以下のようになります。

第1問(2)の解答例

今回は三平方の定理を使って解きましたが、図形を抜き出してみると分かるように、斜辺 $\sqrt{3}$、底辺 $1$ の直角三角形なので、$1:2:\sqrt{3}$ より計算しなくても $OH=2$ だと分かります。 ただ、立体の高さを三平方の定理で求める問題は頻出なので、三平方の定理を使えるようになっておきましょう。

第1問(3)の解答・解説

第1問(3)
1辺の長さが $\sqrt{3}$ である正四面体OABCにおいて、頂点Oから△ABCに垂線OHを下ろすとき、正四面体OABCの体積V
ただし、(1) , (2)で $AH=1 \ , \ OH = \sqrt{2}$

正四面体の体積を求めるためには、体積の公式を考慮すると底面積が必要だと分かります。底面積は△ABCの面積になります。

第1問(1)の作図

△ABCは正三角形なので内角はすべて $60^{\circ}$ であり、また辺の長さも $\sqrt{3}$ と分かっています。2辺とそのはさむ角の大きさが分かっているので、三角形の面積の公式を使って△ABCの面積を求めます。

第1問(3)の解答例
△ABCの面積を求めると、
\begin{align*}
\triangle ABC &= \frac{1}{2} \cdot AB \cdot AC \cdot \sin A \\[ 5pt ]
&= \frac{1}{2} \cdot \sqrt{3} \cdot \sqrt{3} \cdot \sin 60^{\circ} \\[ 5pt ]
&= \frac{1}{2} \cdot \sqrt{3} \cdot \sqrt{3} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} \\[ 5pt ]
&= \frac{3 \sqrt{3}}{4}
\end{align*}

正四面体の底面である△ABCの面積を求めたので、正四面体の体積Vを求めます。

第1問(3)の解答例つづき
正四面体OABCの体積 $V$ を求めると、
\begin{equation*}
V = \frac{1}{3} \cdot \triangle ABC \cdot OH
\end{equation*}

解答例の続きは以下のようになります。

第1問(3)の解答例

三角比を使うためには図形の定義や性質も知っておかなければなりません。

次は直方体を扱った問題を解いてみましょう。

直方体を扱った問題を解いてみよう

次の問題を考えてみましょう。

直方体を扱った問題

設問全体に目を通すと、第2問(2)に「 $\cos \theta$ 」という用語が出てきているので、やはり三角比を使うだろうと予想できます。また、第2問(3)で三角形の面積を求めるために、それまでに必要な数量を求めておく必要があります。計算ミスをしないように気を付けましょう。

第2問(1)の解答・解説

第2問(1)
直方体ABCD-EFGHにおいて、$AB=\sqrt{6} \ , \ AD=\sqrt{3} \ , \ AE=1$ であるとき、AC , AF , AHの長さ

作図すると以下のような図が描けます。必要に応じて面を抜き出して、2次元で考えるようにします。

第2問(1)の作図

また、直方体を部分的に展開した図も描いておきます。

第2問(1)の作図その2

展開図にすると辺の関係がよく分かります。線分AC , AF , AHは長方形の対角線であるので、それらの長さを三平方の定理で求めます。解答例は以下のようになります。

第2問(1)の解答例

第2問(2)の解答・解説

第2問(2)
直方体ABCD-EFGHにおいて、$AB=\sqrt{6} \ , \ AD=\sqrt{3} \ , \ AE=1$ であるとき、$\cos \theta$ の値(∠ACF=θ)。
ただし、(1)で $AC=3 \ , \ AF=\sqrt{7} \ , \ AH=2$

∠ACFに注目しているので、∠ACFを含む面である△ACFを考えます。

第2問(2)の作図

△ACFは直方体の内部にできる三角形です。ただし、第2問(1)で3辺の長さを求めたので、3辺の長短に注意して抜き出します。ちなみに線分CFの長さは、線分AHの長さに等しいことを利用します。

△ACFの3辺の長さが分かっており、$\angle ACF = \theta$ としたときの $\cos \theta$ の値は余弦定理で求めることができます。

第2問(2)の解答例
△ACFにおいて、余弦定理より、
\begin{align*}
\cos \theta &= \frac{{AC}^{2} + {CF}^{2} – {AF}^{2}}{2 \cdot AC \cdot CF} \\[ 5pt ]
&= \frac{{3}^{2} + {2}^{2} – {\left( \sqrt{7} \right)}^{2}}{2 \cdot 3 \cdot 2}
\end{align*}

余弦定理の式に数を代入したら、ミスのないように計算していきます。解答例は以下のようになります。

第2問(2)の解答例

なお、次の第2問(3)で△ACFの面積を求める必要があるので、正弦 $\sin \theta$ の値を求めておきました。

第2問(3)の解答・解説

第2問(3)
直方体ABCD-EFGHにおいて、$AB=\sqrt{6} \ , \ AD=\sqrt{3} \ , \ AE=1$ であるとき、△ACFの面積S。
ただし、(1) , (2)で $AC=3 \ , \ AF=\sqrt{7} \ , \ AH=2 \ , \ \cos \theta = \frac{1}{2}$

△ACFの面積を求めるためには、正弦 $\sin \theta$ の値が必要になります。第2問(2)で余弦 $\cos \theta$ の値を利用します。

余弦 $\cos \theta$ の値から正弦 $\sin \theta$ の値を求めるとき、一番利用するのが三角比の相互関係です。ただし、今回は∠θの大きさが分かるので、∠θの大きさを利用して正弦 $\sin \theta$ の値を求めても良いでしょう。

正弦 $\sin \theta$ の値は第2問(2)で求めたので、△ACFの面積を求めます。三角比を用いた三角形の面積の公式を利用します。

第2問(3)の解答例
△ACFの面積 $S$ を求めると、
\begin{align*}
S &= \frac{1}{2} \cdot AC \cdot CF \sin \theta \\[ 5pt ]
&= \frac{1}{2} \cdot 3 \cdot 2 \frac{\sqrt{3}}{2}
\end{align*}

公式に数を代入した後はミスのないように計算します。解答例は以下のようになります。

第2問(3)の解答例

平面図形、空間図形に限らず、できるだけ正確に作図しましょう。正確に作図できれば、長さの関係や角の大きさを予想でき、計算ミスに気付けることもあります。

センター試験でも作図の重要度が高くなっているので、作図する習慣を付けておいた方が無難でしょう。ちょっとした作図で気付きを得ることもできるので、面倒がらずに手を動かしましょう。

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図形の問題は、気付けないと全くと言って良いほど手も足も出なくなります。気付けるかどうかはやはり日頃から作図したり、図形を色んな角度から眺めたりすることだと思います。

そのためにもやはり演習量は大切です。はじめのうちは何事も質よりも量の方を意識してこなす方が良いと思います。全体を一度通ってから質を考えると効率が良いでしょう。

演習をこなすとなると、単元別になった教材を使って集中的にこなすと良いでしょう。網羅型でも良いですが、苦手意識のある単元であれば、単元別に特化した教材の方が良いかもしれません。

そこで紹介するのが『数学I 高速トレーニング 三角比編 (東進ブックス 大学受験 高速マスター)』です。

三角比に苦手意識のある人にとって、躓きやすいところを解説してあるので良い教材だと思います。基礎の定着に向いた教材でしょう。これで自信がついたらチャートなどのもう少し難易度の高い問題を扱った教材に取り組むと良いでしょう。

さいごに、もう一度、頭の中を整理しよう

  • 正四面体では、垂線と底面との交点は、底面の外接円の中心となる。
  • 正三角形の重心は、外接円の中心と重なる。
  • 空間図形では、三平方の定理も利用する。
  • 平面図形で考えられるものは、空間図形で考えずに、必要な図形を抜き出して考える。
  • 小問形式になっていることが多いので、次の小問を意識しながら解く。

参考 図形と計量|三角比の定義について
参考 図形と計量|三角比の拡張について
参考 図形と計量|三角比の相互関係について その1
参考 図形と計量|三角比の相互関係について その2
参考 図形と計量|正弦定理について
参考 図形と計量|余弦定理について

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ちょっとど忘れしたときの公式・定理集

数学で覚えるべき公式や定理は、一覧で眺めてみるとそれほど多くはありません。大切なことは覚えることではなく、「公式や定理をどのように使うか」です。

公式・定理集で確認しつつ、演習で積極的に使っていきましょう。

日々是鍛錬 ひびこれたんれん
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